市街地で斬られるッ!
「だから言ってるだろダイダラ。たかがパトロールに護衛はいらない、私1人で十分だ」
「だがよぉエスデス様、おりゃ心配なんだよ。過去に1人で市街地回ってどうなったか忘れちまったんですか?」
「どうなったか、だと?」
えっと確か一か月ぐらい前に回った時は有り金全部掏られて悲しくなり、その次は貧民街で迷子。んでその次がほのぼのとお団子食べてたら明らかに何もしてないだろう民間人を処刑しかかっていた警備隊長の首を刎ねた……確かこれぐらい?
「ふむ、特に何も問題なかったと思うが……」
「いやいやいや。問題大ありでしょうよう」
どうしても付いて来ようとするダイダラを何とか説き伏せるけど……心配し過ぎでしょダイダラ。そんなに俺一人で町に行かせるのは心配か?
「はい。何時かエスデス様が気分を害して町に大規模な被害が出ないか凄く心配ですよぉ」
「────えぇ」
まさかの町の心配? いや、確かに掏りに遭った時は怒りの余り町中を氷点下まで下げてしまったり迷子になった時は悲しさの余り一部を凍らしてしまったりと偶に被害出しちゃったけどそこまで大きな事には……
「なってますぜ。一回目の時は凍死者が幾人か出ましたし二回目の時はその凍っていた区画の影響で商業の一部がストップしたりとかなりの被害が」
「────分かった。知り合いの警備隊の者を呼ぶからお前達の付添は勘弁してくれ」
そっかぁー俺の軽率な行動で死者まで出ちまってたのかぁ……ごめんね。後で犠牲者を調べ付くて賠償金を大量に送りつけてやるから。
そんでもってその日のお昼ちょっと手前。俺は何時もの格好を一変、何処にでもいるような村娘のような恰好になって下町をゆ~らゆらっと。
「ふむ、確かここだったな」
そんでもって向かうは今下町で割と話題な美味しいケーキが売り出されているカフェ。此処は俺が個人的に市場調査の為に放っている密偵から大絶賛だから期待値大。そんでもってここは待ち合わせ場所であるから時間つぶしにケーキを食べててもおかしくはない。だ、だからケーキが食べたいからという単純な理由ではないぞ。違うからなッ!
「ストロベリーケーキ。ふむ、コレはアレだけの評価をするのも納得の味だな。素直に美味しい」
ハムハム美味い、美味すぎる。
ってか最近リヴァのゲテモノ大百科みたいな味の物しか食ってなかったから確実に味覚がおかしくなってるわ、どーしよ。修正の為にもこれから外食中心の生活にしようかな。そんな風に考えているとドアベルの音と共に元気の良いポニーテールが見て取れた。俺の待ち人が来たようだ。
「あ、セデスゥさん。お待たせしました!」
あ、セデスゥってのは俺の偽名。エスデスって名前は変に有名になり過ぎてるから本名のままだと割と面倒なんだよね。
「いや、急な呼び出しすまなかったなセリュー。警備隊としての仕事があったのではないか?」
「いえいえ私を修正してくれた恩師の頼み、断れるはずがありませんッ!」
そんでもって彼女の名はセリュー何とか、名字は忘れた。だってぇ~この子との出会いって割とビックリ仰天だったんだもん。前に警備隊長の首を刎ねたって言ったじゃん。んでこの子はそん時に殺しちまった隊長の元部下だ。首を刎ねた直後に襲い掛かって来たから色々と教育した結果こうなった。
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