第十六頁[暗黒の力、ギガノイド]
「皆こっちだよ!」
「速く避難して下さい!」
磐戸のショッピングモールで、見失った紫乃たちを探していた若葉と駿斗。
突如として襲撃の知らせを受け、彼らはその場に居合わせた八重垣 菫と共に避難活動を行っていた。
灰矢も一緒だったのだが、彼の方は紫乃たちと合流すべく現場へ向かっている。
しばらくの後、魔祓課の警察官や私服の封魔司書たちが救助に現れたため、三人は一旦自分たちも避難する運びになった。
「はぁ、紫乃くんたち無事だと良いけど……」
疲れた様子で駿斗が良い、その場にしゃがみ込む。
一方、若葉は菫の事が気になるようで、その場で目を輝かせながら質問していた。
「ねぇねぇ菫さん! 情報屋って言ってたけど、どうしてその仕事をしようと思ったの?」
興味津々な彼女の姿を、菫は微笑ましく思いながら、質問に答える。
「実はね、探している人がいるの。その人の行方が分かるかも知れないと思ったから、情報を収集・提供できる立ち場になったのよ。LOTや警察は良いお客様だわ」
「へぇ~……その探してる人って?」
その問いを聞くと、菫の表情はどこか寂しそうなものに変わった。
「私の弟よ。生きているのなら……多分、あなたたちくらいの年頃かしらね」
[9]前話 [1]次 最初 最後 [5]目次 [3]栞
現在:0/8
[6]トップ/[8]マイページ
小説検索/ランキング
利用規約/FAQ/運営情報
取扱説明書/プライバシーポリシー
※下部メニューはPC版へのリンク