ハーメルン
仮面ライダームラサメ
第七頁[堅牢なる灰色の狩人]

 紫乃とロゼが、白スーツの男が呼び出した神の紛い物『首なし』と激戦を繰り広げていたのと同じ頃。
 磐戸市から少し離れた山の森林で、人間のものとは異なる数多のシルエットが忙しなく飛び交っていた。
 ムラサメも何度か戦った下級のコオニ・ギガが複数体と、それらよりも体格と筋肉が大きく長い角を生やした怪人が数体いる。
 コオニよりも強力な個体、名前はそのまま『小』の字を取っ払ったオニ・ギガだ。
 金棒を背負いながら、何かを追い立てるようにして山の中を走っている。

「ヤツメ、ドコダ!」
「仮面ライダー! ドコダ!」

 走りながら周囲を見回すオニたち。
 すると、どこからともなく笑い声が聞こえる。

「俺ぁココさ」

 見上げた瞬間、一体のオニの頭を目掛けて飛んで来る光の矢。
 一撃で脳天を貫き、その戯我は夜空を仰ぐように倒れた。
 それを確認して、オニたちは怒って喚き散らす。

「ギイッ、ギイッ!」
「コロセ! コロセ!」

 オニとコオニは弓を持つその敵の影を追い、しかしすぐに射抜かれてしまう。
 追えども追えども到達できず、矢で狙い撃たれるばかりで、オニ・コオニの数はどんどん減っていく。

「そんなにガサガサしてたら『どうぞ狙って下さい』と言ってるようなモンだ、お前らじゃ俺に勝てねえよ」

 残る一体の鬼の胸を矢が貫くと、その男はひとつ深い息を吐いた。

「さーて、これで今日の仕事は終わりかね」

 姿を見せたのは長身の青年。
 封魔司書の詰襟制服を纏っており、亀を模した灰色の仮面を装着している。そして、腰にはレリックドライバーも。
 柔らかい金糸のような髪は肩まで伸び、僅かに垂れた目に鮮やかな碧い瞳が仮面から覗く。静かな狩人のような先の動きとは裏腹に、どことなく飄々とした印象を与える。
 青年はN-フォンを出すと、鼻歌交じりに通信を行う。通話先の相手の名は、安藤 長宗(アンドウ ナガムネ)とある。

「よーう安藤サン、この辺りの鬼の掃討は終わったぜ」
『そうか、良くやってくれた。一度こちらに帰投して貰うが、作戦は継続だ』
「了解」

 長宗というらしい男との通信を終えて、青年は大きく伸びをする。

「支部に帰るのはいつになるかねぇ」
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