ハーメルン
生徒会長が栞子なのは間違っている?
第一四幕「おいこらせつ菜」

「という訳で、付き合いました」
「刺しますね」
「なんで!?」

 俺が誰も居ない2年の教室でせつ菜さんに栞子の件を話すと、せつ菜さんはカッターをカチカチしながら物騒な言葉を言った。

「大体、こんなに人を長く付き合わせておいて散々付き合わないとかどうしようとか考えた割には、あっさり付き合いやがってこの野郎」
「ねぇ、せつ菜さん。何でそんなに辛辣なんですか? 泣いていいですか?」

 おかしい。せつ菜さんが俺を散々言ってくる。キャラ崩壊どころじゃない。

「……まぁ、ひとまずおめでとうございますって言っておきますよ。ひとまずですけど」
「怖いんだけど」
「……蝶さん」
「なんだよ」
「私と蝶さんが出会ったの、いつか分かりますか?」
「……確か栞子に無理矢理生徒会に入れられた時から少し経ってからだよな?」

 ☆

『門城蝶さん。貴方は私の右腕になっていただきます』

 そう言われて生徒会に入らされたのは少し前。生徒達も、栞子の言う事だからという意見と、特待生である俺だから心配無いだろうという意見のせいですんなりと入れられた。そして今、俺は資料と睨めっこしながら

「意味わかんねぇ」

 と呟いていた。

「何でだよ、別に俺は生徒会になりたいからとか、三船に近づきたいからとかって理由でやってた訳じゃねぇのに。あの野郎」

 さらに、栞子は用があると言い残し、何処かへ消えてしまったのだ。生徒会長何してんだよ。

「……ってか、いくら特待生でも生徒会の仕事なんてわかる訳ねぇだろ。これ何だ? ハンコ押せば良いのか? 意味わかんねぇ」

 俺がそう呟くと、コンコンとノックの音が聞こえ、ドアが開いた。

「失礼します。門城蝶さんはいらっしゃいますか?」
「……門城蝶は私ですが、貴方は誰ですか?」
「失礼、私は中川菜々と申します。元々生徒会長をやっておりまして貴方の事は存じております。今日は少しお話があって来ました」
「……奇遇ですね。私も貴方に用が出来ましたよ」
「はい?」

 そう言ってその時のせつ菜……中川菜々は首を傾げたので、俺は資料を見せて、

「やり方分かんないので教えて貰っていいですか? 三船さんはどっか行きましたちくしょう」
「……心中お察しします。こちらも栞子さんの事でお話がありますので、構いません」

 それが、俺達の出会いだった。その後、俺は中川菜々によって、生徒会の仕事を学び終わらせることができた。そして、その対価として、菜々さんは何故か栞子の現状や同好会の事、そして中川菜々が優木せつ菜であることなど、俺に言ってきた。
 意味がわからない俺は敬語を抜いて話す。

「……それで、俺に何をしろと? 説得なんて無理だぞ? そもそも、何故俺に言うんだそんな大事な話」
「少なからず、栞子さんは貴方を信頼してるので、何かしら話をして頂きたいのです」
「いや、無理だって。俺スクールアイドルとか知らないし、栞子の事もしらねぇし」
「それでも、貴方と同好会の皆さんだと貴方の方が仲良いのは変わりませんが」

 いや、しつこいなこいつ。でもまぁ、ある程度事情は分かっていた。正直生徒会選挙で適性がどうとか言って、スクールアイドル同好会をなんやかんやとか言ってた気がする。

[9]前話 [1]次 最初 最後 [5]目次 [3]栞
現在:1/4

[6]トップ/[8]マイページ
小説検索/ランキング
利用規約/FAQ/運営情報
取扱説明書/プライバシーポリシー
※下部メニューはPC版へのリンク
携帯アクセス解析