ハーメルン
生徒会長が栞子なのは間違っている?
第六幕「なんじゃもんじゃ、どんなもんじゃ!」

「蝶さん。今日は一緒に帰りませんか?」
「今日もだろ? 悪いけど俺は用事があるんだ」
「浮気ですね」
「早い早い決めるの早い。そしてすぐ俺の首元に顔近づけて八重歯立てるな死ぬぞ俺が」

 栞子の誘いを断った瞬間俺の首元に八重歯を向けた。お前は吸血鬼かよ。

「キョンシーです。まぁ、吸血鬼に似てますけど」
「そういえば吸血鬼って諸説あるけど、元々は「吸血姫」の表記もあるから女性の様な高貴なやつしかならないとか女の子しかいないとかあったよな」
「なんでそんなに吸血鬼に詳しいんですか?」
「俺の厨二病は吸血鬼だぜ」
「自慢げに言わないで下さい。ところで、結局用事とはなんですか? 私と言うものがありながらせつ菜さんを取るなんて刺しますよ? あ、私は刺される側ですね。注射のように刺されて、子種をビュービュー私の子宮に」
「宮下さんの店でバイトだって正直に言うからそれ以上下ネタを言うんじゃねぇ」
「え? あの人のお店で働いていたんですか!?」
「まぁな。そんなに気になるなら「行きます。取り憑きます」早いって」

 そう言いながら俺と栞子は宮下さんのもんじゃ屋に行った。

 ☆

「ラッシュアワー3ィィ!!」
「蝶! このトッピング3番テーブルにお願い!」
「かしこまぁぁぁぁ!!」
「蝶! このビールジョッキ20本まとめて持っていって!」
「どっせいぃぃぃ!!」
「蝶! そこで寝てて!」
「宮下さん! それ仕事じゃねぇから!?」
「……化け物ですか彼は」

 現在夕方。ゾロゾロと早帰りのサラリーマン達の群れて埋め尽くされた「もんじゃみやした」は大盛況である。
 そこには金髪クリーム色の髪型であり、いかにもギャルと言っても過言ではない、栞子と同じスクールアイドルの宮下愛(みやしたあい)と、彼女の無理難題をなんの文句も言わず黙々とこなす蝶の姿がそこにはあった。
 今彼は、お客さんが落とした500円を見つけるため、片手でビール瓶の籠(中身満タン)を5ボックス持ちながら片手で500円玉を握りしめて渡していた。

「ありがとうにいちゃん! アンタスゲェな! 最初はヤクザかなんかかと思ったらただの真面目な好青年じゃねーか!」
「ありがとうございます。恐れ入ります」
「そう堅くなるなよ! んじゃあな! また来るぜ!」
「はい、また是非」

 蝶はお客さんと仲良さそうに話していた。元々不良でもなく、筋トレで鍛えた身体で行う力仕事。生徒会で学んだ上下関係などで世を渡った彼には楽勝であったのだ。
 そして、店がひと段落して、栞子と愛と蝶は三人で話をしていた。

「いやー、まさか蝶がしおってぃーの彼氏だったなんてね! 愛さんびっくりだよ!」
「いや、宮下さん。俺達は……」
「ええ、私の旦那がお世話になってます」
「おいコラ三船ぇ!!」

 おいやめろ、ただでさえ外壁掘られてんのに、同好会にもやられたらマジで逃げ場がない。

「それにしても、かなり手慣れていましたが、蝶さんはいつからここで?」
「俺がせつ菜さんと出会った時だから……かなり前か? あいつが生徒会長してた時だな」
「そうそう、せっつーが人生的な意味でお金に困ってる人がいるからって言って、どんな人かと思ったら蝶さんだったんだよね!」

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