ハーメルン
アルビノ美少女にTS転生したと思ったらお薬漬け改造人間状態にされた上にシティーハンターの世界なんですけど?
第5話「ロリコンスレイヤー白の巻!(後編)」

萩尾の依頼を受けた翌日。
日の高いうちに(リョウ)と香は萩尾を伴ってファミレスへと来ていた。
といっても3人とも同じ席についているわけではない。
テーブル席を二つ使い、(リョウ)と香の隣のテーブルに萩尾が一人で座っている。
この店に今回騙す相手である天地宗像(アマチソウゾウ)を呼び出してあるのだ。
ややあって、萩尾の席に一人の男性が現れた。

「久しぶりですな、松井さん。私は天地を呼んだはずだが。」

「一年ぶりか。先生がわざわざお前などに会われるか!第一秘書の私が来ただけありがたいと思え。」

やってきたのは天地の第一秘書の松井だった。
高圧的な態度で用件を萩尾に問いただしている。
依頼をした時の暗さやおどおどした様子はなく、負けじと堂々とした態度で接する萩尾。
萩尾は懐から一本のテープを取り出すと、松井に一億での買取を要求した。

「一億?ふざけるな、そんな大金!なんだ、そのテープは!?」

「あの時の会話が入っている。一年前、私に偽装自殺を命じた時のな。」

そういって萩尾がテープを再生すると、テープからは娘の養育費の面倒を見る代わりに偽装自殺を命じる天地の声が再生された。
そのうえ、断れば娘の命はないと脅している。

「これは、確かに先生の声!貴様、いつの間にこんなものを!」

「俺を甘く見たな。買い取らないならこのままサツに出頭してやろうか?」

凄む萩尾に、冷や汗を流す松井。

「貴様、本当にあの気が弱かった運転手か……!?」

「お前たちに全てを奪われ、隠者のように過ごした1年が私を変えた。さあ、この取引に応じるのか、否か!?」

「わ、わかった。とにかく先生に相談せねば。」

追い詰められた様子で席を立つ松井。
松井はさっさと店を出ていき、その背中を見送った萩尾は脱力してテーブルに崩れ落ちる。

「はぁー、こんな感じでよかったでしょうか?」

「名演技だったわよ!」

「上出来だよ。あとは連絡があるまで待機だな。」





店から出た松井は少し歩いた後、忌々しそうに店に振り返る。

「消すしかないな。総裁選の近い先生にこんなことに関わっている時間はない。」

そうぼそりと呟き、近くの公衆電話へと歩いていく松井。
公衆電話をダイヤルし、なにがしかを手短に伝えたあと、受話器をおく。
用を終えて立ち去ろうと振り返ると、すぐ近くに小さな女の子が立っていた。
全身真っ白の出で立ちにサングラスの少女がいつの間にか真後ろに立っていたことにたじろぐ松井。
だが、少女は松井の横をすりぬけ公衆電話に背伸びして電話をかけ始める。

「もしもし、おとうさん?いまどこ?おむかえきてー。」

舌足らずに話し出した少女に毒気を抜かれたのか、フン、と鼻を鳴らして松井は立ち去った。
少女、白はサングラス越しに横目で松井を窺い、松井が背を向けた後に無表情のまま舌を出して見送った。

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