Take010
好きな写真が撮れないから勝手に撮ろうとするだけで、撮れるようになるなら日頃の行動を見つめ直せるだろうと提案した撮影会。えぇえぇ、こんな大事になると思ってませんでした。
世界各国から募集が集まり応募数はとんでもない数字のまま現実逃避をしていたら最終的に7000万ちょっと程度となった。
流石に未だに増え続けてるのはヤバいと感じ応募を締め切ったが、さてどう抽選しよう。本人に発送を以て発表する? 発送を以て発表とするって本当にやったのか怪しくない? そんなつまらないことはしない。
7000万まで抽選出来るアプリを作ってもらい、抽選するのを動画に撮ってSNSに投稿しよう。
暇そうにしている制作のスタッフに頭を下げたら、7000万人数えるのをポンとくれたぜ。ちゃんと作成料でお金は支払ってるので安心してほしい。
そして抽選の動画を何個かに分け、発表し少しの月日が経ったのち、撮影会の日はやって来た。因みにこの頃になると既に撮影は始まっており、この日はわざわざ朝から休みを入れて撮影会に来ていた。撮影会の日はいくつかに分けられ、今日は6日目だ。
ニューヨークのエンパイヤーステートビルを複数部屋間借りして作られた撮影スタジオ。海辺、雪、砂漠、森と本物に比べれば簡素なセットではあるが制作元は映画会社、様々なロケーションで好きな格好で撮ろうというものだ。因みに協賛は募っていない、全てポケットマネーだ。
抽選はガチ抽選であり作為的な選別は行っていない。なのにもかかわらずやたらとプレゼントが多い。別に何も求めたわけではないんだが、異性にプレゼントを送り喜んでもらうというのは万国共通なのか?
それとあんまり皆撮影してくれない、一人辺り30分で既に70人くらい捌いたが撮影してくれたのは半数だ。撮影よりも握手して、ハグして、椅子になるから座って、踏んでなんて注文が多い。
座るくらいまでなら問題はない、座りながらお尻を動かして背中にお肉を押し当てるくらいのサービス精神はあるが流石に踏むのはちょっとキツい、というか恥ずかしい。
ちゃうねんちゃうねん、カメラに見せるのと足を触れられるのとでは訳が違うんだよ。まぁちゃんと踏ませて貰ってたけど、最初の数回で踏むのに飽きて途中から私は椅子に座って足置きになってもらっていた。
さてプレゼントでいえば正直スポーツカーの鍵を渡されるよりペットボトルのお茶の方が嬉しいが、私も自称プロ。そういうのは顔には出さない、好意だけでも嬉しいからである。因みに車は3台増えました。キャディラック、ランボルギーニ、フェラーリ。
キャディがお好き? 結構。
プレゼントの質で、当たり前だが優劣は付けない。お金持ちから送られた宝石の指輪でも幼子からの手作りの紙のブローチでも、何を貰ってもどちらも嬉しいプレゼントだ。
「احب ذلك. أرجوك تزوجيني」
「すまねぇアラビア語はさっぱりなんだ」
そんなこんなで六日目の正午一発目。
遊びにやってきた白い服に身を包んだ如何にもアラビアンな方からスタートした。連れの女性を引き連れた彼女は出会い頭にアラビア語と共に何かを渡そうとバッグを漁っていた。何故一人ではないのだろうか。
「انها هدية」
[9]前話 [1]次 最初 最後 [5]目次 [3]栞
現在:1/7
[6]トップ/[8]マイページ
小説検索/ランキング
利用規約/FAQ/運営情報
取扱説明書/プライバシーポリシー
※下部メニューはPC版へのリンク