ハーメルン
転生したら馬なんだが全く知らない血統です
年明け怒涛のクラシックシーズン開幕

2006年1月9日、京都競馬場

どうも、アマデウスです。年明け一発目のレースはG3シンザン記念。そう、俺の祖父であり、曽祖父の名を持つレースです。大江くんが最近始めた俺相手のブリーフィングだと、俺に勝てそうな敵は居ないらしい。だからといって手は抜かん。全力で勝ちに行かせてもらおう。


実況「さあ新年早々、強力な面子がここ京都に集いました、G3シンザン記念。現在の一番人気はやはりこの馬、先年の2歳最優秀馬で5戦5勝2レコード、常勝の牡馬、祖父曽祖父の名を持つレースにいざ出陣、10番アマデウス。2番人気を紹介します。ここまで2勝、重賞では未勝利ですが、アマデウスに負けんとばかりに張り切っています、2番イースター。3番人気はこの馬、新馬戦でアマデウスにかち合い敗北、その敗北を糧にここまでやってきました、1番グロリアスウィーク。」


グロリアスウィーク(久しぶりだな、アマデウス)

(グロリアスウィークか、新馬戦以来だな)

グロリアスウィーク(あの敗北の日以来だ。今日は俺が勝つ宣言しておこう)

イースター(誰が勝つ、だと。それは俺のことだ。このイースター様が常勝馬アマデウスを打ち取るんだからな。見よ、この晴れ渡った空を。まさに吉兆、俺様の勝利をこの世界が祝福しているのだ)

ぜってえやべえヤツだ、コイツ

(そうか、せいぜい俺のケツに引っ付いているんだな)

グローリアスウィーク(おい、イースターとか言ったか)

イースター(そうだぜ、負け犬。いや負け馬か)

グロリアスウィーク(アマデウスと戦ったこともないアホが適当に吠えてやがれ)

イースター(言ったな、この負け馬)

(さっさと落ち着かんか、このバカども)

グロリアスウィーク(だが、アマデウス)

(口じゃなくて走りで勝てばよかろう。それでいいな、イースター)

イースター(当たり前だ、俺のケツを追いかけないようにな)


実況「さあ、各馬ゲートに納まります。大外10番アマデウスが今ゲートイン。スタートしました。さあ最初に飛び出したのはアマデウスだ。いつものように飛ばしています。2番手の位置には4馬身差でグロリアスウィーク。その後ろ1馬身差にロジック、その外並んでゴウゴウキリシマ。その後ろにイースター、テンエイヤシャオー、メジロシリングと混戦状態。その後方にディープエアー、半馬身差エムエスワールド、その外並んでリメインオブサザン。先頭から全馬が8馬身以内という団子状態、これは仕掛けどころが大変です。さあ残り1000mを通過。」

『神馬の嘶き』

実況「さあアマデウスがスパートを掛ける。それに待ったをかけるのはグロリアスウィークとロジックだ。イースターは馬群に囲まれて身動きがとれないか?
さあ先頭、依然変わらずアマデウス。6馬身後方内にグロリアスウィーク、外にロジック。ここで上がってきたのは先程囲まれたイースターだ。残り600を通過、ここで後方集団も仕掛けてきた。だがアマデウス、逃げる、逃げる。すでに2番手には7馬身つけている。
さあアマデウスがゴールイン。我が眼前に他の馬など居てはならないと言わんばかりの大逃げだ。2着はグロリアスウィーク、惜しくも半馬身差。3着ロジック。4着はどっちだ、イースターか、ゴウゴウキリシマか。ゴウゴウキリシマとイースター、もつれ込みながらゴールイン。ゴウゴウキリシマやや体勢有利か?さあアマデウス、新年一発目のレースも勝利、祖父曽祖父の名のレースを制しました。」

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