朝日杯夜と来年の予定
朝日杯当日夜、神宮寺宗家当主の間
この日、レース終了後の大江騎手が呼び出されていた。
大江(え、なに、く、クビ、そりゃないよな。俺、勝ったし、今まで以上の大差勝ちだよな)
神宮寺「待たせたな、大江君」
大江「待ってなどおりません。御当主さま。如何様でございますか?」
神宮寺「おう、お前さんにインタビューだ。来月出す神宮寺グループと神宮寺血族の広報たる広報神宮寺のな」
大江「わ、私がですか」
神宮寺「そうだ。この後で写真撮影な。明日の神宮寺新聞の一面は、お前とアマデウスの写真を載せた物になる」
大江「は、はぁ」
神宮寺「さあ、向こうで着替えて来い」
大江「は、はい」
写真撮影を終えた大江は神宮寺と酒をかわすこととなった。
神宮寺「よく勝ってくれた。馬主席で見てたが見事な物だ」
大江「は、はい」
神宮寺「緊張してるか?」
大江「そ、そりゃ御当主様とサシで飲む事になるとは。正直今まで雲の上の存在ですし。話すことすら無いと思っていましたから。俺は一族の恥ですよ。ご存知でしょう、騎手になってアマデウスに会うまで重賞どころかオープンはおろか条件戦すら勝ち星は数えるほどしかない。誰が呼んだか新馬未勝利馬専属。アマデウスに会う前に親父に言われましたよ、一族の恥さらしって」
神宮寺「そうか?この前お前の父親と嫡子は一族の誉れだとか誇りだとか言ってた気がするがな。手のひらドリルしたのか?」
大江「でしょうね。ここに来る前に親父が来て一族の誉れと言われましたよ」
神宮寺「いいじゃねえか、さて。来年の話をしよう。来年は相当数のG1に出てもらうからな。まず時系列順に4月の皐月賞、その後NHKマイル、日本ダービー、安田記念、宝塚記念、ジャパンダートダービー、菊花賞、天皇賞秋、マイルチャンピオンシップ、ジャパンカップダート、ジャパンカップ、有馬記念、東京大賞典、こんな感じだ」
大江「短距離以外の牡馬G1すべて掻っ攫えと」
神宮寺「そうなるな」
大江「厳しいとしか言えませんよ、これは。特にジャパンカップダートとジャパンカップはどちらかを取っていただきたい。流石に2日連続G1は」
神宮寺「まあそうだよな。そこは後で考えるがどちらかのみにしておく。他はどうだ」
大江「枠によるとしか。ステップレースもいりますから、まず皐月賞の為に弥生賞、NHKマイルカップの為にニュージーランドトロフィーもしくはアーリントンカップ、秋の天皇賞のためにオールカマーもしくは毎日王冠、京都大賞典、安田記念のためにマイラーズカップ、マイルチャンピオンシップの為に富士もしくはスワンステークス、宝塚記念と有馬記念は投票によるものですから宝塚記念にディープが出てきてそれを破れば有馬記念は確実だと思います。」
神宮寺「年17レースか」
大江「はい、これから減ることは無いかと」
神宮寺「まあ、アマデウスならできるだろう。話は少し変わるが、お前さんに乗って欲しい馬が居る」
大江「新しい馬ですか?」
神宮寺「まだ生まれてもないがな」
大江「生まれても無いですか」
神宮寺「と言っても年明けには生まれるだろう。牝馬らしい。血統は驚けよ、父サクラバクシンオー、母父ウイニングチケットだ」
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