1年生と顔合わせ出来たけど1人死んでるってマ?
伏黒恵、釘崎野薔薇。2人の後輩の入学が決定している。ただ6月に実際高専に居るのは恵一人だけだ。
『宿儺の指』の回収役に伏黒恵が指名された。
仙台まで行くとの事で朝一から見送りを真希としてから、普段通りの生活に戻っていく。
問題はここからだった。後を追う様に仙台に向かった五条先生から真夜中に愉しそうな声で電凸を食らった。内容を聞いて、寝ていた頭が一瞬で冴えてしまった。
宿儺の器。その確保。上層部へのおど……交渉を経て乙骨憂太と同じく高専預かりとするらしい。
電話が掛かってきた段階で隣で寝ていた真希も起きていた為、次の日には速攻で二年全員にこのことが知れ渡った。乙骨の件もある為かそこまでの騒ぎにはならなかったが、あの指を直接飲み込んだというか取り込んだというか……食べたその虎杖君の度胸と胃の強さにはびっくりしている。
学長にもすれ違った時に聞いてみたが、しっかりと面接はした様子だった。納得のいく答えが出てきた事に満足しながら、会える時を楽しみにして居た。
なんだかんだと忙しく、久々に恵と会えば、隣には初めてみる顔があった。情報通りなら彼女が釘崎野薔薇だろう。なんとも通夜の様な雰囲気漂わせている理由も分かっては居る。
「なんだ、辛気臭い顔してその虎杖ってやつが喜ぶと思ってんのか?恵。そいつには会ったことねぇけどさ。」
真希にも伝えてはあるが暗い空気に耐えきれず、ずかずかと階段に腰を下ろす二人の目の前に現れて、そんなことをずかずかと言う。真希の根本が去年から変わってない証でもあり、悪いところでもある。
「禪院先輩。」
「だから苗字で呼ぶんじゃねぇよ。」
「真希、その辺にしておけ。恵、釘崎野薔薇、災難だったな。」
「ツナマヨ。」
「……何あの人達(人じゃないの混じってるけど)」
「二年の先輩。呪具使いの禪院先輩、呪言師の狗巻先輩、パンダのパンダ先輩。それと魔眼使い、千葉先輩。あと一人の乙骨先輩っていう尊敬できる人はいるけど今は海外だ。」
「パンダのパンダ先輩って説明になって無くない?」
「いやー、すまんな喪中なのに。」
「(バッチリ喋るじゃん)」
「京都高との交流会に出て欲しくてな。去年は俺が人数の問題で京都に行った。3年生が色々あって停学食らってる影響もあってその枠をお前たちに頼みたい。」
パンダの言葉を巡が引き継ぐ。キッチリと身体のラインにピッタリと合う制服の真希と、口元が完全に覆われている棘。ダボッと袖が広がっており背には家紋がデカデカと入れられている巡。制服?ナニソレオイシイノ?のパンダ。四者四様の服装の中で巡が一番制服の範疇からズレているものがない。
「1日目団体戦、2日目個人戦。殺す以外なら何をしても良い呪術合戦だ。私は知ったこっちゃ無いけどな。」
「真希は呪力が全く無い代わりに素の身体能力お化けだ。呪力無しの殴り合いならこの世で一番強いんじゃないか?」
「ま、怪我しないように本番まで二年と一緒に体育だな。芯がしっかり固まれば力は自ずと付いてくる。やるだろ?死なないようにシゴいてやる。」
「「やる。」」
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「いらっしゃいませー。一名様ですか?」
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