みんなで楽しい体育のお時間。
「「ッ"ぅ──!!」」
禪院真希、左肩負傷。だらりと片腕が垂れ下がり、使えない事を示す。
千葉巡、右足親指負傷。平然としているように見えるが、普通に地面に足を置けば痛いのは確定の為左脚に体重の大部分を載せているのが負傷の証拠となる。
「はーい、そこまで。巡は呪力無しでここまで動けるなら十分充分。真希も良い対戦相手が居て良かったね。」
「チッ……。」
「焦ることは無い。切磋琢磨して強くなっていけば良いんだ。その為の授業であり、呪術高専だ。」
「(五条先生が真面目で真っ当なこと言ってる……)」
「(しゃけしゃけ。)」
既に対戦を終えていた狗巻君とコソコソと話していたが、クルッと振り返った五条先生の視線によって口を噤んだ。
「ちょっと痛そうだけどやれるかい?巡。」
「呪力でどうにでもなりますから。……これが見たいんでしょ?」
押さえ込んでいた呪力を全身に巡らせてから迸らせる。気分転換。くるくると回る車輪は形を捻じ曲げ、万華鏡が姿を現す。
「じゃ、やろっか。」
「手加減無しで良いんですよね?」
「良いよ〜」
──ギュル
左目周辺の空間が捻じ曲がる。目の前に突き刺さるようにして現れるのは特級呪具・瓢摩。
「これまだ1回も使ってないから試運転させて貰います。」
最強・五条悟 対 未来の最強・千葉巡
模擬戦で特級呪具を持ち出す巡もイカれてるが、それを笑って受け流す五条悟も五条悟である。それを心地よいと思っているから互いに同類であった。
絶対術式使用しなくても運動場ボコボコになるだろ。と2人と1匹の心は統一され、模擬戦が始まる前に一段海抜が高い階段の上に上がっていたのに巡が気が付いたのは、模擬戦が終わった後の事であった。
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