ハーメルン
スネイプ家の双子
13 楽しい罰則!



ルイスとソフィアは放課後、セブルスの研究室の前で立っていた。

ルイスが拳を上げ、軽く扉をノックする。


「スネイプ先生、ルイスとソフィアです」
「…入れ」
「はぁい」


2人は扉の奥から聞こえてきた声に素直に返事をし、直ぐに扉を開けた。
他の生徒なら何としてでもセブルスの研究室に向かう事を回避するだろうが、2人は寧ろはやくこの時が来るのを朝からそわそわと心待ちにしていた。

ルイスはドラコに、ソフィアはハーマイオニーに昨日夜に抜け出したことがスネイプ先生にばれて罰則を受ける事になったと伝えて寮を抜け出していた。
ハーマイオニーは酷く心配し、「だから気をつけてって言ったでしょう!」と憤慨していたが、ドラコは全く気にせず頷いただけだった。


ソフィアとルイスが研究室の中に入り扉を閉めると、セブルスはすぐに防音魔法とくっつき魔法を扉に掛けた。
それを見て2人は期待の眼差しをセブルスに向ける。


「…ここでは何と呼べばいいかしら?」
「スネイプ先生?それとも──」


二人は白い頬を赤らめ、研究室の後方にある椅子に座っているセブルスを期待のこもった眼差しで見つめる。はやく、許可を出して欲しい。二人の目は雄弁にそう語っていた。


「…いつものように呼んで構わない」
「「父様!」」


セブルスの許可を得た二人はパッと笑顔を見せるとその場から跳ねるように駆け出した。
ルイスは走った勢いをそのままに机の上に足を掛け椅子に座るセブルスの正面から抱きつき、ソフィアは流石に机に登ることはせず少し遅れて横からひしっと抱きついた。


「父様!久しぶり!…ちゃんとシャワー浴びてる?」
「父様!せっかく父様の髪は黒くて綺麗なのに、薬品の臭いがついているわ!」
「なんかべっとりしてるし、ねえ頭洗ってあげようか?僕、清め魔法最近覚えたんだ!」
「えー!ずるい!私も父様にしてあげたいわ!」
「んーじゃあ交代でする?一度の魔法じゃこの汚れは取れないかも!」
「いいわね!そうしましょう」
「…少し、落ち着け」


次々と溢れる2人の言葉に、セブルスはくぐもった声でそれだけを伝える。すると2人はぴたりと口を閉ざし、えへへ、と恥ずかしそうに笑った。

 
「だって!久しぶりだもの!幾らでも話したい事があるのよ!」
「ソフィアの言う通りだよ!」
「わかった、…ルイス、机の上から降りなさい。ソフィア、ローブの端を踏んでいる」

強く抱きしめられているセブルスが静かに言えば、2人はようやくセブルスから離れ──ルイスは机からひょいと降り──机を挟み、前に立った。


「そこに座りなさい。…紅茶を淹れよう」
「「はぁい」」


セブルスは杖を振るいソファと小さな丸机を出現させた。2人はその黒くふかふかとしたソファに座り、セブルスが紅茶を淹れている間興味深そうに辺りを見渡した。
よく見れば、棚には様々な瓶や材料が並んでいる。それ見てソフィアは少し顔を顰め、ルイスは対照的に目を輝かせた。


「父様!部屋を見てもいい?」
「構わないが…。…危険なものもある、決して触れないように」
「はーい!」

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