ハーメルン
【完結】スネイプ家の双子
29 大捜索!



ソフィアとハーマイオニーが友情をしかと感じ、その手を取り合う少し前、ルイスは豪華絢爛なハロウィーンの飾り付けが施された大広間であたりを見渡し、ソフィアがいない事に気づくと不安げに眉を寄せる。今日のハロウィーンディナーを、ソフィアはとても楽しみにしていた。来ないなんて有り得ない、ルイスはそう思い、すぐにハリーの元へ向かった。


「ねえ、ハリー!ソフィア見なかった?」
「え?ソフィア?…あ、本当だ…どこ行ったんだろう…ごめん、知らないや」
「そっか…ありがとう」


ハリーなら知っているかと思ったが、ハリーも不思議そうに首を振りあたりを見ていた、この様子だと本当に知らないようで、ルイスは期待していた答えはもらえず肩を落とした。


「どこいったんだろう…」


不安げに表情を翳らせたままスリザリンの机へと向かった。少し図書室に寄っていて、遅れているだけなら良いんだけど、と一人で呟き、豪華な料理の数々を眺める。
だが、食事が開始されてもソフィアは現れることはなかった。

ルイスは扉からソフィアが現れないかと思い、料理には手をつけずじっと扉を見ていた。
すると勢いよく扉が開き、クィレルが全速力で大広間に駆け込んできた。生徒たちは何事かと振り返りクィレルを見つめる。クィレルの表情は恐怖で歪み、今にも気絶しそうなほど顔色は悪い。
足をもつれさせながらなんとかダンブルドアの席まで辿り着くと、表情を険しくしてクィレルを見つめるダンブルドアに、喘ぎ喘ぎ、必死に告げる。


「トロールが…地下室に…お知らせしなくてはと思って…!」


しん、と静まり返っていた大広間にその言葉が響く。
クィレルは何とかそれだけを言うと、その場で気絶してしまった。

生徒たちは恐怖から悲鳴をあげ、不安げに辺りを見渡す、今にもここにトロールが来るのでは無いかと皆身体を震わせていた。
ダンブルドアは大混乱し騒つく生徒たちの気をひくために杖の先から紫色の爆竹を数回爆発させ、重々しく呟く。
 

「監督生よ。すぐさま自分の寮の生徒を引率して寮に帰るように」


その言葉に監督生達は立ち上がりすぐに生徒たちを引率し、時には恐怖から泣いてしまった生徒を宥め寮へと向かう。


ルイスは表情を硬らせてスリザリン生の軍団の中からそっと抜け出した。


「ソフィア…!」
 

ソフィアはトロールが来た事を知らないだろう、何処に彼女が居るのかわからない、だが自分だけ安全な場所に避難することはどうしても出来なかった。
ルイスは必死に辺りを見渡し、何度も大声でソフィアの名前を呼んだ、まず図書室に向かったが、そこには誰も居ない、皆が特別なハロウィーンディナーを食べに大広間に集まっていたのだ、司書すらも、いなかった。


「ソフィア!!いたら返事をして!!」


しかし、自分の声がこだまし響くだけで、返事は無かった。
舌打ちをこぼし、すぐにまた廊下を走り回る、息は上がり、喉が炎を飲んだかのように痛んだ。

トロールは地下室にいる、なら地下に行って、トロールを食い止めるべきだろうか?僕に、出来るだろうか──いや、やるしか無い。

ルイスは杖を出し、そのまま地下へと向かった。

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