ハーメルン
【完結】スネイプ家の双子
40 まるで優しい母様のよう!


すぐにクィレルはセブルスに屈すると思っていたハリー達だったが、クィレルはハリー達が思っている以上の粘りを見せた。常に顔色は悪く、震えているが、それでもどうやらまだ賢者の石はフラッフィーの守りの下にあるらしい。
ハリー達はほぼ毎日禁じられた廊下の前にいき、そっと扉に耳を当て、中のフラッフィーが無事かどうかを確かめた。



ソフィアはルイスにもう一度相談し、ハリーが聞いたというセブルスとクィレルの会話を伝えた。


「ハリーは、父様が嫌いだから…かなり悪意のある捉え方をしていると思う。けど…側から見たら父様が怪しく見えるのも…仕方ないかも。どんな会話が交わされたのか、僕は聞いてないから分からないけど…わかるのは、父様はクィレルが何かを企んでいて、それを止めようとしている…後、クィレルの後ろには誰かが居るんだ…文脈を読むなら、その人につくか、それとも自分側…ダンブルドア側に着くかって事じゃない?」
「でも…そんな、じゃあ黒幕は誰なの?」
「さあ…そればっかりは…クィレルは無理矢理従わされてるのかも知れないし、自分の意志かもしれない…もうちょっとクィレルについて探ってみるよ。ソフィアは大人しくするんだよ?2人とも目をつけられたら動けなくなってしまうからね」


ソフィアは、言いようのない漠然とした不安を感じながらも、ルイスの言葉に頷き一旦クィレルの事を考えるのをやめた。ただでさえ毎日のようにハリー達から父の悪口を聞かされほとほと疲れ果てていた。
暫くはあと数ヶ月後に控える試験勉強をする事にし──ハーマイオニーもその意見に賛成だった──ハリー達と図書館で勉強をして過ごした。
特に筆記試験であれば、苦手科目のない優秀なソフィアは、ハリーとロンに付きっきりになり勉強を教えた。


「こんなのとっても覚えきれないよ!」 


うんうん唸っていたロンはついに羽ペンを放り投げ、つまらなさそうに図書館の窓から外を見た。


「ドラゴンの血の十二種類の利用方法だけでも、覚えていた方がいいわよ?」
「あーー!もう僕の頭には何も入らない!今日はもう駄目だ、少しでも詰め込むと今まで覚えたものが溢れちゃうよ!」


ソフィアはちらりと時計を見る。今日はもう2時間は勉強をした、確かに今まですこしの休憩しかしていなかった、この辺りが限界だろう。


「そうね、今日はもうやめておきましょうか」
「それが賢明だよ!…あ!ハグリッド!図書館で何をしているんだい?」


凡そ図書館に似合わないハグリッドは、狭い通路をカニ歩きで進みながらバツの悪そうな顔でもじもじしながら現れた。


「いや、ちーと見てるだけ。お前さん達は何をしてるんだ?まさかまだニコラス・フラメルについて探しとるのか?」
「そんなのもうとっくの昔にわかったさ!それだけじゃない賢者の──」
「シーーッ!」
 

得意げに話すロンを慌ててハグリッドが制する、キョロキョロとあたりを見て誰にも聞かれていなかった事にほっとため息をつき、厳しい目でロンを見ると声を顰めた。


「その事は大声で言いふらしちゃいかん!お前さん達、まったくどうにかしちまったんじゃないか」
「ちょうど良かった。ハグリッドに聞きたいことがあるんだけど、フラッフィー以外にあの石を守ってる人は誰なの?」

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