ハーメルン
スネイプ家の双子
05 ホグワーツへ!



9月1日。
2人は沢山の荷物をカートに詰めキングズ・クロス駅に来ていた。胸を期待に膨らませ、ゴロゴロとカートを押しながら9と4分の3番線を探す。あらかじめセブルスから行き方を聞いていた為迷う事なく足を進めた。


「あ!ソフィア、見てみて!」
「え?何なに?!」


マグルや魔法使いらしき人の群れにソフィアは大声をあげた、目を離すと前を進むルイスを見失ってしまいそうなほど混雑していた。
ルイスは早く気付いて欲しいと言うように、人の群れの中の先を指差した、その目はきらきらと嬉しそうに輝いている。


「ほら!あの家族達を見てよ!」
「えー?…あっ!」


ソフィアはその場でぴょんぴょんと跳んでいたが、ようやくルイスが言う家族達、が誰だかわかりぱっと表情を明るくさせカートを勢い良く押し慌てて飛び退くルイスを追い越すと、そのまま燃えるような赤毛の集団に突撃──彼らにとっては奇襲だっただろう──した。

「うわぁ!?」
「な、何だい!?」


後ろからのいきなりの衝撃に驚いた彼らはしこたまぶつけ、痛む腰を抑えながら何事かと振り返る。

その先にあったのは大きなカートに乗せられた沢山の荷物、それを見てその集団に居たモリーはきっと誰がが誤ってぶつかってしまったのだろうと思った。少し皆で固まって動きすぎて通行の邪魔になっていたかもしれない。
とりあえず謝ろうとしたが、荷物からひょっこりと顔を出した少女のその表情は何処か既視感のある悪戯っぽい笑みを浮かべていた。


「あはは!ごめんなさい!ジョージ!フレッド!会いたかったわ!」
「「ソフィア!」」


謝罪しながらも嬉しそうに笑い、ソフィアはカートから手を離しジョージに駆け寄ると飛びつくようにして首元に抱きつく。ジョージはそのスキンシップに少し驚いたが抱きつく妹のジニーを受け止める事に慣れていた為特に照れる事なくしっかりと抱きとめた。


「ソフィアが居るって事は…」
「フレッド!また会えて嬉しいよ!」


ゴロゴロとカートを押しながらルイスも現れ、同じようにフレッドの首元目掛けて飛びついた。フレッドもまたルイスを抱きとめたが、ニヤリと笑うとその場で勢いよくルイスを振り回す。ルイスの「わあ!あははは!」という楽しげな歓声がホームに響いた。


「ジョージ?フレッド?この子達は…?」
 

モリーは初めて見るルイスとソフィアを見て、少し驚いた。フレッドとジョージに歳下の友人が居るとは思わなかったのだ。


「この前言った双子さ!」
「まさに、運命的な出会いだった!」


二人はルイスとソフィアを離すと、自分の母親の前にずいっと押し出す。押し出されたソフィアはスカートの端を掴み丁寧に頭を下げた。少し目を回していたルイスはよろめきながらも胸に手を当て恭しく頭を下げる。


「私はソフィア・プリンスです、はじめまして!彼らの偉大なるお母様!」
「僕はルイス・プリンスです、フレッドとジョージという最高な2人を産んでくださり感謝します!」
「まぁ!…ふふっ!面白い子達ね!」


双子の母であるモリーは、ソフィアとルイスに抱いた既視感の正体に気付いた、わが家の双子とよく雰囲気が似ているのだ、あの悪戯っぽい笑顔は何度も見て…そして頭を悩まされていたのだが。

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