ハーメルン
【完結】スネイプ家の双子
08 ホグワーツに到着!


もうすぐホグワーツに到着するという車内放送を聞き、ルイスとソフィアは顔を見合わせる。そっとコンパートメントから顔を出すと通路には沢山の生徒達が服を着替え、待ちきれないと言ったように既にそわそわとしているのが見えた。


「まいったな…服はハリー達がいるコンパートメントだよ」


ルイスは呟き、ソフィアも頷いた。すでにジョージ達はホグワーツの制服に身を包んでいる。今からこの人の群れの中に入り目的のコンパートメントに行くのは少し覚悟がいる事だった。


「このままホグワーツに行ったら間違いなく、注目の的になるわね」
「仕方ない…行こうか」


2人はジョージ達に別れを告げ、覚悟が決まった顔で扉を開けると人の群れを押し分け謝罪しながら目的地へ急いだ。


「──はぁ!やっとついた!」


群衆に揉みくちゃにされた2人は乱れた髪を手で撫で、はあはあと荒い呼吸を整えた。
すでにハリーとロンは服を着替え終わり、まだ私服でいる2人を見て驚き、自分のことのように慌てた。


「ルイス!ソフィア!もう列車が停まりそうだよ、早く着替えなきゃ!」
「うん、わかった!」


2人は荒くなった呼吸を抑え、すぐに着替えにようと上着に手をかける。


「うわっ!」
「ちょ、ちょっと待ってソフィア!」


ハリーとロンは上擦った声で焦りながらばっと視線を逸らした。
何の躊躇いも無く服を脱いだソフィアのその白い腹をちらりと見てしまった2人はロンの髪色のように顔を赤く染めた。


「…あ、ごめんなさいね?ちょっとだけ後ろを向いててもらえるかしら」


ソフィアはいつもルイスと共に行動している、それこそ、いつも、だ。
風呂に入る時だって何も考えず一緒に湯船に浸かっていた。幼い頃からそうだったため、男女として成長したとしても、2人の間に恥じらいは生まれなかった。ついその癖で何も考えず服を着替えようとしたが、ルイス以外の男の子の前で着替えるのは常識的に考えると──少し、まずいのだろう。


「出て行くから!」


ハリーとロンは声を揃えて叫ぶようにいうと、わたわたと扉を開けすぐに出ていった。
ぴしゃりと強めに締められた扉を見た2人は少しだけ笑ってしまった。

2人も新品のホグワーツの制服に身を包む。ネクタイの色は新入生を示す黒だった。はやく、お揃いのネクタイが欲しい、そう2人は思った。


「おまたせ!」
「さあ、行こう!」


ルイスとソフィアはまだ頬を少し赤くしながら通路で待っていたハリーとロンにそう声を掛ける、4人は人の群れの中に混じり、ざわざわと期待と興奮に満ちた声を聞くうちに自然と4人の表情も他の新入生と同じく少し緊張したものになって行く。

列車から降りると、そこは4人が想像していたような豪華な場所では無く、寂れた暗いプラットホームだった。目の前にホグワーツがあると思っていた生徒たちはキョロキョロとあたりを見渡し不安げに顔を見合わせた。
だが、新入生の自分達とは違い、上級生達はなんの不安も抱かず楽しげに話しながら悩まず進んでいく。きっとここから徒歩か、何かに乗ってホグワーツに向かうのだろう。



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