ハーメルン
スネイプ家の双子
09 組み分け!



ルイスとソフィアを含めた一年生全員の引率者はハグリッドからマクゴナガルへと引き継がれた。彼女はとても厳格そうな雰囲気を漂わせていた。
2人はこのホグワーツで面白おかしい日々を過ごす為には彼女の目を盗む必要がある、そう直感した。

マクゴナガルはマグル出身の一年生の為に四つの寮の説明と組み分けが行われる旨を簡単に説明した。それぞれの寮の特色を今伝えないという事はきっと後程組み分けの儀式の時に伝えられるのだろうと2人は思う。

2人はどこの寮に配属されても、特に問題はなかった。希望も特に無い、ただ2人はお互いが必ず同じ寮になる事を信じて疑わなかったし、当然そうなると思っていた。ただ、愛しい兄妹と同じ寮なら、2人の願いはそれだけだ。


「組み分け儀式がまもなく始まります。さあ、一列になって。ついてきてください」


扉が開き、小部屋に集められていた一年生達は緊張から強張った顔をしてマクゴナガルを見つめた。組み分けの儀式はどんなものなのだろうか、試験や戦いは本当に行われるのだろうか、もしどの寮にも選ばれなかったら──。
組み分け帽子を被るだけだと知っているルイスとソフィアも、周りの緊張と不安が伝染し、いつもより表情を固くして静かに一年生の列に並んだ。

組み分けの儀式がいよいよ始まる。

二重扉を潜って大広間へと向かった一年生達は、その先に広がっていた素晴らしい光景に今までの不安を一瞬忘れた。
何千という蝋燭が空中に浮かび大広間を照らす。四つの長机にはそれぞれの寮の色を示すネクタイをつけた上級生達が着席し、机の上には黄金に輝く食器やゴブレットが置いてある。ホグワーツで共に過ごす新入生達を上級生達は暖かい眼差しで歓迎した。

大広間の上座にはもう一つの長机があり、そこに座る教師達の中に、ソフィアとルイスは父親を見つけた。
口を固く結び、他の教師達とは違い微笑ましげに見てもいない。2人は久しぶりに見た父親に思わず飛び出しそうになったがぐっと堪えた。そうだ、親子だとバレてはいけないんだった。

教師が座る机に着きながら一年生の中にいるソフィアとルイスを見たセブルスは、2人の今にも飛び出しそうなウズウズとした表情を見て、小さくため息をこぼす。本当にこの双子達は在学中ずっと秘密を守れるのだろうか。


マクゴナガルは椅子を出すとその上に組み分け帽子を置いた。その帽子はぴくりと動くとつばの縁の破れ目をかぱりと大きく開き、そしてそれぞれの寮の特色を歌い出した。

勇気ある者が住まう寮、グリフィンドール
忍耐強い者が向かう寮、ハッフルパフ
知識を得る者が選ばれる寮、レイブンクロー
真の友と狡猾さを持つ寮、スリザリン

歌い終わると全員が割れるような拍手を送る。一年生達はほっとしたように表情を緩めた、試験や戦いなんてない、帽子を被るだけだなんて!


「ABC順に呼ばれたら、帽子をかぶって椅子に座り、組み分けを受けてください。──アボット・ハンナ!」

名前を1番に呼ばれた少女は頬を赤く染めながら転がるように舞台に上がり、震える手で帽子を掴むとそのまま被り、椅子に座った。


「ハッフルパフ!」


帽子は高らかに宣言し、ハンナは嬉しげに笑いながら温かい拍手を送るハッフルパフ寮へと走り、同じ寮生が待つテーブルに着いた。

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