ハーメルン
聖闘士セイヤッ! 水晶哀歌~水晶聖闘士になった俺の華麗なる生存戦略~
第2話 「非情! オーロラの対決」を台無しにする生存戦略

 群がるヒャッハー共を鎧袖一触。

「き、貴様ッ、血迷ったか水晶聖闘士!」

 存在を認識する、マルチロックオン、フルバースト(拳)。
 相手は死ぬ。

「う、撃てっ! 撃て撃て撃て撃てーーーーっ!!」

 銃弾の雨?
 見てから余裕。

 気がかりは流れ弾による被害と人質を取られることだったが、凍気によるクリスタルウォールもどきを形成することで要救助者の皆さんへのセーフティーゾーンを確立。
 即興のシェルターではあるが、個人で携行できる重火器程度ではとてもとても。

 問題は、このハイスペックな肉体が、いきなり現れた氷壁に閉じ込められる形となった彼らの絶望に満ちた表情をばっちりと捉えてくれたことカナ。
 中には必死になって脱出しようと壁面に拳を叩きつける人とか、泣き出す人もいる。
 いきなり銃撃戦に巻き込まれたらそうもなるか。

 これ、どっちが悪人か分からんな。
 彼らからすれば、俺は裏切り者かつ誘拐犯なワケだし。
 ひょっとして、銃撃が怖いんじゃなくて、逃げ出さないように氷の檻に捕らえられたと勘違いされている可能性が高くないか?

 ……とりあえず、さくっと終わらせるからもうしばらく我慢してほしい。

 突然の憑依状態に超人的な戦闘能力を得たことで調子に乗っていたことは事実。
 それでも、巧緻よりは拙速だろうと事を起こした判断自体は間違ってはいないと思うが……この状況は罪悪感が半端ない。
 信じて貰えるかどうかは分からんが、皆を助けに来たとだけでも伝えておこう。
 言葉にしないと分からない事ってあるからな。

 そう思って振り返ろうとした俺の耳に、水晶聖闘士として聞き慣れた声が届いた。

「先生! これは、これは一体どういうことなんですか! どうしてこんな非道を!!」

 振り向けば、そこにはキグナスの聖衣を身に纏った氷河と――

「先生? だとすればあの男が、氷河の師匠の水晶聖闘士なのか!」

 同じくペガサスの聖衣を身に纏った主人公の星矢の姿が。



 え? ちょっと待って!?
 何で君たちがここにいるの?
 確か、星矢は氷河と水晶聖闘士が一戦交えてから合流してたよな?
 記憶を辿るが、水晶聖闘士はまだ氷河と再会していない。
 だからこそ、速攻で問題を片づけてイベントフラグを失くそうとしたんだぞ?
 特に星矢君。君、何でそんなにヤル気に満ちてるの?
 あ、ペガサスのマスクがヘルメットタイプってことは、やはりここはアニメ基準の世界なのね。
 いやいやいや、ちょっと待て。今、氷河は何と言った?
 
 ――非道?

「……久しぶりだな、氷河。そしてその聖衣、お前がペガサスか」

 動揺する内心の俺に反して、無駄なイケボでクールに応える外の人。
 思考しながら動けるって便利だね、ってどうでもいいわ。

「ヤコフから聞きました。オレが日本に向かってすぐに、変な男たちが村を襲い皆を連れ去ったと。オレは聞きました、先生はどうしていたのかと」

 あれ、ちょっと待って。この流れって……非常にマズくね?

「あの人は悪魔に魂を売ったのだと、そう言いました。オレは……その言葉を信じられなかった。例えそれが傷付いたヤコフの言葉であっても。なぜなら、オレの知る先生は――」

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