ハーメルン
聖闘士セイヤッ! 水晶哀歌~水晶聖闘士になった俺の華麗なる生存戦略~
第2話 「非情! オーロラの対決」を台無しにする生存戦略
「止せ氷河、この光景を見ろよ。酷いことしやがる、銃を突き付けて脅すだけじゃなく――村人一人一人を氷の檻に閉じ込めて!! 魔鈴さんの言っていた通りだ、あの男は邪悪の手先となっているんだ!」
待ちなさい星矢君。箇条書きマジックは止めるんだ星矢君。
邪悪の手先て。何言ったの魔鈴さん? そんなこと星矢に言ってたっけ?
氷河の命が危ないから助けに行け、ぐらいだったハズ。
あれか、ひょっとしてアニメの描写外の出来事って奴か?
落ち着け、クールになれ。
状況を確認しようか。
背後を見る。
重火器装備のヒャッハー共。銃口はこちらに向いている。
正面を見る。
氷の檻に捕らわれた力無き人々悲鳴付き。
悲壮感満載の氷河と、正義の怒りを燃やす星矢。
対峙するのはワケありっぽい尊敬する師匠。
駄目じゃん。
これ、アカンやつですやん?
対峙ルート爆走してる!
「な、どうしてここにペガサスとキグナスが!? ええいっ、おい、水晶聖闘士!!」
誰だよ、今忙しいんだから話しかけんじゃねーよ!
どこの馬鹿野郎だと睨み付ければ、氷河たちの影に隠れる様にどこかで見たことのあるやつが。
確か、ギガース参謀長の横にいた取り巻きだったか?
なんでそんなところに、ってヒャッハー共を置いて逃げる気満々かよ。
「ひっ!? こ、これは命令だぞ! そいつらを始末しろ! そうすれば今回の事には目をつぶってやる!!」
待てやコラ。
――余 計 な こ と を 言 う ん じ ゃ な い !!
「お前たちもだ! 金なら幾らでもくれてやるからこいつらを殺せ! 何をしている撃てーーッ!!」
「う、うわーーーー!!」
「死ね死ねしねぇーー!」
狂った様に重火器を乱射するヒャッハー共。
聖闘士に銃は通用しないと言っても、それはあくまでも戦意に満ちた、
小宇宙
(
コスモ
)
を燃やしている状態であればこそ。
超常の力を持っているとはいえ、寝ている時や日常の中のふとした瞬間、聖衣の無い生身の部分を狙われれば、人間である以上、当たりどころが悪ければ死に至る。
その射線には当然俺も含まれていた。背後を見せて隙だらけに見えていたのだろう。
だが、問題はない。
放たれた弾丸は、その全てが俺の身体に触れる前ピタリと静止する。
俺の周囲をキラキラと舞う雪の結晶。
その一つ一つが強固な盾となって俺を守っている。
銃弾程度でこの凍気のバリヤーを抜くことなど不可能。
まあ、抜かれてしまうと減衰なしの100パーセント貫通ダメージを食らうっぽいが。
パリンと割れるバリヤーかよ。
「ッ――氷河! オレが奴らの相手をする。お前は――」
ヒャッハー共に向かって駆け出す星矢。
凍気を操る俺や氷河と違って肉弾戦メインの星矢は弾丸を躱し、あるいは掴み取りながら、次々とヒャッハー共を叩きのめしていく。
「分かっているさ星矢。先生は――オレが止める!」
いや、止める必要はないから。
君たちの邪魔をする気はないから。むしろ心情的には君たちの味方だから。
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