ハーメルン
聖闘士セイヤッ! 水晶哀歌~水晶聖闘士になった俺の華麗なる生存戦略~
第XX話 カバー裏の馬鹿話シリーズ「私立グラード学園 2限目」

「なあ、氷河よ?」

「はい、どうかしましたか先生?」

「キグナスのサークレットを、あのデザインのままヘルメット化したら、と。以前、そういう話をしただろう?」

「ええ、しましたが……」

「ずっともやもやしていたんだが、ああ、あれだと、やっと思い出したんだ」

「……何です?」

「――ゴッドシ○マの風見博士」





 私立グラード学園。
 グラード財団当主城戸光政が、己の道楽のために、有り余る財力にものを言わせて築いたマンモ――大規模学園都市である。
 グラード国際大学付属高校と間違えて入学する者も多かったが、先日力業で併合したらしいので次年度からは被害者も減少するだろう。
 ちなみに、学園長は聖アカデミーに視察に行って、全女生徒から白い目で見られていたと聞いた。ワシはアニメ版なのにと泣いていたらしいが、鬼畜の所業に違いはない。
 世界各地から金に糸目を付けずに集められた才能ある若者たち(選考基準に人物像は考慮しないものとする)が、聖闘士(アクター)になるべく血に汗を流しながら死闘を繰り広げる。
 どこにでもある普通の学園だ。



「あー、授業の前に皆に伝えておくことがある。
 長らく休んでいた天馬君と、サーシャ君、アローン君だか、月のアルテミス女学園に転校することになった。
 今からコイツを殴りに行こうかと、書き置き残して行ってみたはいいが、帰ってこれなくなったらしい。
 天馬と幸せになりますと、葉書が来ていたから、元気にやっているんだろう。多分。
 気軽に会いに行くには難しいところだが、どんなに離れていても君たちの友情は――」

「あの、クーちゃん先生!」

「クーちゃん先生は止めなさい。はい、沙織君」

「あのお二人は、まだ15歳ぐらいだったと思いますが?
 まあ、それは良いのです。
 アルテミス女学園って、お姉さまが理事をされている、あの学園ですよね?
 ……女子校ですよ?」
 
 ピキーーーーン。
 まるで黄金聖衣同士が共鳴するように、聞こえるはずのない緊張の音が、教室の生徒たちには確かに聞こえた。
 そして悟る。
 その瞬間、教室の空気が変わった、と!

「……まったく。チーム2軍とチーム白銀は殺気を抑えるように。
 邪武君やオルフェ君、ミスティ君たちの落ち着きを見習いなさい」

「「「……フッ」」」

「先生!」

「はい、蛮君」

「沙織お嬢様ガンギマリ野郎と、彼女持ちに自分大好きナルシスト野郎を基準にされても困ります!
 あと、オメガに出演したオレたちとチーム白銀を一緒にしないで下さ――!?」

 ドカッ、バキッ。
 BAKOOOOOOOOOOON!!

「お、おい、しっかりしろ蛮!」

「うぅう、げ、檄か? お、オレは、ぐ、グレートティーチャー……」

「お前ら全員、後で指導室(スニオン岬)行きだからな。
 で、だ。気軽に会いに行くのは難しいが、手紙ならサガ先生やカノン先生にお願いすれば届けてくれるそうだ。

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