ハーメルン
聖闘士セイヤッ! 水晶哀歌~水晶聖闘士になった俺の華麗なる生存戦略~
第9話 TPOをわきまえるのも大切な生存戦略

 何度も、何度も。

 エモニの、死者の尊厳を文字通り踏みにじってみせたその行為に、この期に及んでなお己を律することを強いられる師に代わって――紫龍が激怒した。

「――ッ!? 幼い少女の姿をしようとも、お前から感じるその邪悪な小宇宙はアーレス様から感じたモノと同じ!
 魑魅魍魎、悪鬼羅刹の類であるならば、この紫龍――何一つ遠慮をする必要はない!!」

 龍は、その逆鱗に触れた者を許しはしない!

「――廬山昇龍覇!!」

 突き上げられた紫龍の拳。そこから放たれた攻撃的小宇宙が昇龍の姿となって、笑みを浮かべるエモニの身体を貫いた。

「な、何ッ!?」

 だが、しかし。
 その事に驚愕したのは紫龍の方であった。

「今の感触は――何も、ない? まるで、幻影を相手にしたような!?」

「クスクスクスクスッ、なぁに? お兄ちゃんもわたしと遊びたいの?」

 そう言って笑うエモニの身体が、無数の花弁となって周囲へと解ける様にして消えて行く。

「まだ駄目よ。先に遊ぶ相手はお姉ちゃんたちって決めているもの。だから、お兄ちゃんたちとは――」



 ――そのあとで遊んであげる。



 そう言い残し、エモニはこの場から完全に姿を消した。



 童虎は、編み笠を目深に深くかぶり直し。

 紫龍は、新たなる敵の予感に闘志を燃やし。

 水晶聖闘士は、空から舞い降りた一輪のスミレの花を、そっと手に包み込んでいた。










 五老峰から戻った紫龍と一輝からの情報により、オレたちは倒すべき真の敵が教皇アーレスである事を知る。
 決意を新たにするオレたちの前に、青銅聖闘士の数倍の小宇宙を持つと言われる強敵――白銀聖闘士が遂に現れた。

 来るなら来い!
 どんな刺客が現れようとも、アーレスを倒すまでは、この黄金聖衣のマスクは絶対に渡さない!

 次回、聖闘士星矢

「誇り高き刺客! その名は蜥蜴星座(リザド)のミスティ」

 君は、小宇宙を感じた事があるか。





 to be continued……?

[9]前 [1]後書き 最初 最後 [5]目次 [3]栞
現在:6/6

[6]トップ/[8]マイページ
小説検索/ランキング
利用規約/FAQ/運営情報
取扱説明書/プライバシーポリシー
※下部メニューはPC版へのリンク
携帯アクセス解析