溶け合う
やぁやぁミスズ!今日もいい天気じゃないか!」
「…うっせ。」
…朝昼晩、平日休日問わず私の生活にコイツはづかづかと踏み込んでくる。
「第一、なんで私の生活に!」
「それはミスズが好きだからだよ〜」
「なッ…そそ,そんなこと言って動揺を誘うつもり!?」
「ははは、キミはチョロいね〜!六瀬じゃなくてチョロ瀬だね〜!」
「や、やかましい!…いい!?近いうちにアンタのその余裕そうな表情も何もかもボコボコにしてやる!本当に強いのは私だって___」
みっともなく怒る私の口に指を当て,オーリスは制止した。
「…そう、私はキミの野心を買ったんだよ。」
「…は?」
オーリスは向き直して、神妙な顔で話し始めた。
「今まで色んな人を打ち倒して友になってほしいと求めてきた。…でも皆、私に倒された後にはすっかり丸くなってしまうんだよ。」
「……それは…そう。この学園は皆お友達作りに来てるもの。……甘い考えの人が多い。…本気のヤツなんて、貴女ぐらい。」
…横のオーリスはクククと笑っていた。
「な、なに!?おかしい?」
「いいや、私の見込んだ通りさ。…だがキミはその刃を、その杖を、この学園で1番になる。そのためだけに振るつもりかい?」
「……どういうこと。」
「…ミスズ、私の女になりたまえよ。」
「は?」
一番理解できない状況になってしまった。
「…い、いや、本気で意味わからないんだけど…」
「その力を私のために使ってくれ!」
「は、はぁぁっ!?ありえないありえない!!なんでアンタのために__」
「おっと?キミはあの決闘の時に誓っただろう?"どんな辱めでも受ける"と。」
「なッ…」
「キミを私にくれ!!!!」
「は、初プロポーズがお前だなんて!!」
『え、ぇえ!?オーリス様が六瀬美篶に!?』
「ヴィクトリア家の女にならないか?」
「ならない!!なるわけないっ!!」
『嘘でしょ…あ、あのオーリス様が…っ…』
「キミの瞳に惚れた___」
「___意味…わからないんだけど…」
「ははは!本当にキミは面白いよミスズっ!」
「お,お前といるとペース崩れる…!」
突然、オーリスは私のことをお姫様抱っこして__
「な、何すんの!はーなーせー!」
「六瀬 美篶は私と契りを交わした!…」
「何言ってんのーッ!?!?!?!」
・
・
・
「えっ、私の部屋は?」
夜。学園の寮に戻ると部屋が空き部屋になってた。
『んー?さっきヴィクトリア家の給仕達が5、6人来て荷物運んでったけど…アンタ何かしたの?」
こんなバカなことするのはアイツしかいない!あのバカしか!
「オーリスのヤツ…!」
・
「やぁやぁミスズ!今晩からキミの部屋は私と相部屋さ!」
「ありえないんだけどーッ!?」
…オーリスの部屋には、私の部屋の家具がそっくりそのまま、前の部屋の配置のままに置いてあった.
「不思議なことではないだろう?なぜならキミは私の妻なのだから!」
「せめて私に断りを入れてから動かしなさいよ…!!」
「ははは!ぐうの音も出ないねぇ!」
…楽しそうに高笑いしていた。
・
・
・
やはり落ち着かない。オーリスはすやすやと寝てるけれど。…
「…どうした?……眠れないのかい?」
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