ハーメルン
ポケットモンスターHUNTER アルセウス
決戦!リオレウス ~天冠山に紅蓮咲く~

博士とテル先輩は報告のためにムラに戻る、と……。どうしよう、くちふ――じゃない、口止めをしておくべきだろうか。

「先輩、あの……」

「ショウくん……白状すると、ボクたちだけではジンオウガたちのことを隠しきれる保証はないのです。ギンガ団の団員は、各地に散らばって点在しています。どこの団員が見ているのかは、流石にボクらでもわからないのです」

「あ……」

そうだった……失念していた!私も調査の途中でほかのギンガ団員と会うことがたまにあったりするけれど……ひょっとしたら、この二人以外のギンガ団員がジンオウガたちを見ていて、それを団長に報告しないとも限らない……!

「だからこそ、ボクたちが先んじて団長に報告するのです!」

「ジンオウガたちに悪い印象が植え付けられないように、おれたちも頑張るから……ショウも、頑張ってくれ」

「……はい。お二人共、ありがとうございます」

「困った時はお互い様なのです!」

ラベン博士の笑顔に、思わず釣られて笑みがこぼれる。よかった、私はまだ人を信じられる……まだ、誰かの為に頑張れるんだ。
ジンオウガをボールから出して、かいふくのくすりでラギアクルス共々回復させる。その後、ラギアクルスをボールに戻して……あ。

「そうだ。ジンオウガも戻っていいよ」

「ウォン!?」

「なんで!?」と言いたげに声を上げたジンオウガをボールに戻し、代わりに出したのは……。

「リオレウス!」

リオレウスをボールから出して、すぐに回復をさせてあげる。そして……。

「それじゃあ、お約束のお説教ね」

「グオン!?」

「お黙り!そこにお座り!!」

リオレウスを無理やり座らせて、懇懇とお説教をする。時間にして三十分くらいかな……途中からセキさんとノボリさんも加わってお説教をしたあと、十分に反省したようなので許してあげた。ツバキさん?煽りそうだったからテル先輩に止めてもらってた。

「リオレウス。次は純白の凍土に行きたいの。あなたの背中に乗せてもらえる?」

「グオオオオオォォォォォッ!!」

そうお願いすれば、まるでテンションが上がったように声を上げたリオレウス。……意外と、人を乗せて飛ぶことが好きなのかもしれない。姿勢を低くしたリオレウスの背中に乗ってから、私はみんなの方へと振り返った。

「それでは、私は行きますね」

「あぁ、オレも後でそっちに行く。終わる前には合流する……つもりだ」

「待ってますね、セキさん」

リオレウスが飛び上がり、一気に空へと飛翔した。

「気をつけてなー!」

「先輩こそー!」

先輩の言葉を最後に見送られながら、私を乗せたリオレウスは一路、純白の凍土へ向けて翼をはためかせた。

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