ハーメルン
【本編完結】コントラクト・スプラウト ~ おじさんでしたが実在合法美少女エルフになったので配信者やりながら世界救うことにしました ~
07【緊急避難】それでもおれは悪くない


 突然だが、日本国における道路交通法についてご存知だろうか。

 道路交通法において定められる排気量五〇cc以下の原動機付き自転車……いわゆる『原付き』と呼ばれる自動二輪車がある。
 普通自動車免許を取得している日本国民であればオマケ的に運転資格が付与され、そうでなくても十六歳以上であれば比較的容易・安価に運転免許を取得できることから……多くの人々の『足』として利用されている交通手段と言える。

 十六歳をとっくの昔に通り過ぎ、そもそも普通自動車免許を所持している()()こと安城(あんじょう)雅基(まさき)も、そんな()()()()()のうちの一人なわけだが……




「…………これ……おれ乗っていいのか?」


 日々の生活を共にしてきた愛車の前で、誰にともなく呟きが漏れ出た。



 確かに……確かに、日本国における原付き免許の制限は緩い。
 十六歳以上であるか。両眼視力が(矯正込みでも)〇.五以上あるか。赤青黄の三原色を判断できる色彩感覚があるか。その他ごく普通の運動能力や聴力が備わっているか。……確か、だいたいこの程度だったように思う。
 これらの条件を満たし、交通ルールなどなどに関する筆記試験に合格できれば、誰にでも――それこそ高校入学したての未成年の少年少女であろうとも――原付バイクを運転する免許が与えられる。

 原付バイクを運転するための条件……そこには『身長』に関する記載は、無い。
 テーマパークの絶叫マシンのように、『身長○○センチ以下は安全のため搭乗できません』なんてことは、無い。
 要は……原付を運転できる免許さえ所持していれば、たとえ()()()()()()()()()()であろうとも運転できる()()なのだ。

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