ハーメルン
仮面ライダーレギエル
第十話「緋色の覚醒」


「ミチくんはどうしたいの?」

「当然伝えたい。それに。……彼女を地獄とやらから連れ戻すことも可能じゃないのか?相手が悪魔、それもアモンという名高い者の行為。不可逆にとどめるべき死とは言い難いだろう」

「……ツッチーは」

「明路と同じよ。……なに?あたしたちも信用できないの?」

「そんなつもりじゃないよ」

少し目を逸らし、ぼそりと吐き出すようなセリフ。春子は分かりやすく、ため息をつき、戸を開く。

「言ってくる」

「俺も行く」

「……ぁ、ぼ、ぼくも!私も行く!」

「好きにしなさい」

戸を開け、音へと振り返る菜摘。憔悴しきった様子で、自虐的に笑う。

「逃げちゃったんですって、アモン」

「ああ、すまない」

「いいです、僕が殺せるんで」

強く握る拳、その様子に、明路は怯むことなく水をかける。第一声は。

「雨野君。君は地島君に会える」

あまりにも直球。復讐に燃える彼の眼の色が、ぐるっと入れ替わる。明路が言うから、というのはあるだろう。彼はこんな嘘つかないし、きっとそう信じるなら。
明路がそういうなら、自分もきっと信じていいと。そう思える。

「はい!」

細かいことを聞くよりも先に、彼の目に希望が灯り始める。
ああ、自分はどれだけ惨めであれば気がすむ?あんなに、「君はそのままでいい」だとか言ったくせに。留一の胸をつく菜摘の姿。

「留一さん?」

「え、あ、何?」

「……大丈夫ですから。湖冬に会えるって事実は何も変わりませんから」

「ああ、そう、かい」

留一が考え込んでいる間に事情の説明は終わっていたようだ。菜摘は笑顔を隠しきれないままでも、留一の方を見て頷いた。

「誰かを信用するの、苦手ですか?」

「かもね」

「僕もそうでした。いや、今でもそうかもしれないです。湖冬の一件から、僕、世界のなにもかもが信じられなくて……ッでも!明路さんや、春子さん、留一さん……皆さんを僕は強く信じてるんです。湖冬がそうだったから、なんてのもあるけど」

「結局、愛憎なんだね」

頷きながらも、留一は何か違う景色を見ていた。

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