ハーメルン
丸藤翔のやり直し
不合格者の足掻きとオベリスクブルーの洗礼。

 改めて、僕はルールを確認する。
 先攻1ターン目で、ドロー廃止。フィールド魔法カードはお互いのフィールドに1枚ずつ張れるようになり、新しいフィールド魔法を張る場合は破壊ではなく墓地へ送られる扱いになる。


 これ以外に、変更点は特になさそうだ。
 後は、デッキを調整する。パワー・ボンドは…抜いておくッス。僕にはこれを使う資格なんて無いッス。

 その後、この世界線の『僕』が集めていた、美少女系フィギュアをはじめとした玩具を売って、そのお金を全部カードの購入に充てたッス。
 といっても、いきなり全部売ると怪しまれてしまうかもしれないので、古くなったフィギュアやおもちゃを売ったッス。

 それでもかつて持っていたデッキを再現するには至らなかったッス。前は持っていたのに、今は持っていなくて使えないコンボ、というのは物凄くもやもやするけれど仕方ないッス。






 フェリーに乗り込もうとしたところで、もめごとが起きたッス。


「待てっ!説明しろ!なんで俺が不合格なんだ!」


 あれはたしか、実技試験でバーンカードだけで勝っていた受験生ッス。


「部外者は帰りなさい。君はデュエルアカデミアにふさわしくないと我々は判断した。」
「禁止・制限は守っているし、ルール違反していないだろう!筆記でも上位で!実技試験でもノーダメージでワンターンキル!なんで不合格なんだ!」
「ルールを守れてもマナーを守れない生徒は、デュエルアカデミアにふさわしくないと判断した。」
「ふざけるな!こうなったら…見つけた!おい、そこの水色の覗き魔!」


 な、なんで覗きの事を…!あれは前世の僕が、嵌められた事件ッス。
 靴箱に手紙が入っていて、僕宛てのラブレターと思ったら、宛先が十代で…。
 明日香さんは大事にしなかったけれど、おそらく枕田さんと浜口さんの口から僕が覗き魔という噂がオベリスクブルー女子寮に広まったみたいッス。おかげで、僕はまともな恋愛が出来なかっ…。

 いや、恋愛が出来なかったのは、あの時の僕自身に問題があったからッスね。


「シカトしてんじゃねぇよ!丸・藤・翔!受験番号119番で、パトロイドの効果もまともに使わず、自分で封印しているパワー・ボンドをデッキに入れているチビメガネェ!」

 なんでそれを知っているんスか?
 僕はため息をついて、教員にデッキを確認してもらうッス。


「…丸藤君のデッキにパワー・ボンドが入っている。そう言ったな?」
「ああそうさ!でもそいつは兄に封印されているのにデッキに入れているんだ!そんな糞雑魚、例えるなら地下五階の駐車場、三角形の底辺より俺を入学させた方が」
「入っていないぞ、パワー・ボンドのカードは」
「は、はあああああああ?!」


 こいつ、何者っスか。僕と同じように、前世の記憶があるんスか?
 でも、こんな人知らないッス。


「随分と、丸藤君に因縁があるみたいだな。申し訳ないが、彼とデュエルしてくれないか?」
「ええっ?!」
「もちろん、君を不合格にして彼を入学させるようなことは絶対にしない。」
「…わかったッス。」



 言いがかりをつけてきた、狂竹(きょうちく)と僕は対峙するッス。

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