私たちの産声
距離にして大体15m、訓練されたニンジャ。一般人と比べて格段に身体能力が上、だけど超人兵士よりは下のニンジャにすれば秒もかからず接近される距離。そして倍以上の数的不利。
こっちが使えるのは私とイヴのスーツ、あとヨワヨワ固定砲台のヤクザさんたち。となるとできる戦術は限られてくる。戦闘開始直前に手元のリパルサーの電源をオフ、スパイダーウェブに切り替え、モードを網目状の蜘蛛の巣みたいなのを発射できるようにする。トニーみたいに500通りのウェブとか用意出来なかったけどこういう簡単なのなら私も持ってる。
こっちは待ちの姿勢、相手は攻めの姿勢。かの有名な長篠の戦いみたいにはいけないけど騎馬隊を防ぐ蜘蛛の巣をはりましょう。
「イヴ!」
『位置計算完了済み。』
蜘蛛糸球を発射し、相手が突撃する前に爆発させる。あたり一面蜘蛛の巣だらけ、そうなればよかったんだけど効果は一瞬、タイちゃんは発火能力持ちだからね、仕方ないね。
「でもその隙が命取り!」
ウェブとリパルサーをすぐさま切り替え発射。目標はタイフォイドじゃなくてニンジャ。タイちゃんにしても良かったんだけどたぶん謎のタフネスで耐えられるし、そうなると私は彼女に付きっ切り。周りのニンジャがヤクザさんたちを殲滅しちゃう。それは困るので数減らしってわけですね。
「まぁ10も減らせないんですけど!」
『スティック射出。』
私の近接武器が展開されるのとタイフォイドが蜘蛛の巣を焼き切るのがほぼ同時。チタン合金ですら焼き切る謎のサイキックファイヤを操るタイフォイドにはスーツと同じ素材のこの棒は『ちょっと時間を掛ければ焼き切れる』というヨワヨワ棒だけど、私にとってはその“ちょっと”+距離的優位が大事。
剣と槍を比べれば強いのは断然槍、タイちゃんが武術アップグレードをしていたとしてもスーツの筋力と長さ的優位があればまぁ何とかなるはず!
「チェストぉですわ!」
「っシ!」
恐怖を吹き飛ばすために軽口と共にブースター突撃。軽く弾かれるけどこちとら別にそれでいい、遠心力も載せて反対側を使えばいいから。テールのリパルサーを逆噴射し、勢いを止める。同時にスーツの馬鹿力で無理やりスティックを逆に振り回す。
「ッチ! 人間離れしやがって!」
「体滅茶苦茶痛いけどね!」
そして、長さを盾になんとか立ち回る。タイちゃんも瞬間的に刀にまとう炎の火力を上げてスティックを叩ききったり、投げナイフで牽制してくるけどもちろん考慮済み。スティックはテールに3本、合計6本あるからまだまだ無駄遣いできるし投げナイフはさっきから発電量が著しく減ってる右のテールで受け止める。
「あ! そこのニンジャくん! プレゼントあげるね!」
両てのひらはスティックで塞がっているが、手首は開いている。スティックを使うということは棒を握るってことなのでてのひらに内蔵しているリパルサー使えない。が、手首のウェブシューターは角度次第で使える。
イヴが全力で監視及び私への指示をしてくれるからヤクザにニンジャが変なちょっかいを掛けようとした時、タイちゃんにウェブ発射した後にニンジャに発射。とかもできるのだ。でもまぁそれでもカバーできないところはあるわけで……
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