イタズラ娘と二人目のアイアンマン
「つぐみ!」
例の事件、まぁタイフォイドちゃんと戦ったあの日のことだけどそれから数日後。ある程度の組織把握と役割分担を終えたころ。私の実家のラボに我が親友ユキが転がり込んできた。
「あ、ゆきじゃん。ちょうどよかった、私もゆきに用事あったんだよ。」
研究開発の息抜きにカポエラー、まぁ正確には空手なんだけど私はカポエラーと呼ぶ。その練習をしていた私。トニーもアイアンマン2から体鍛え始めてたし私も見習わないとね! ……まぁトニーの理由は私とは違う奴なんだけど。
「そうなの? ……でも先にちょっと話聞いてくれないかな?」
「ありゃ結構深刻? とりあえずそこ座ってくだされ、イヴ~何か飲み物用意して。」
『ちょうど作業用アームを第二ラボに運び出しましたので出来ません。ご自分でどうぞ?』
「……ちょっと最近辛辣じゃない?」
「あはは……、二人はいつも通りだね。」
最近ちょいと自分も身を危険に晒し過ぎたせいかイヴはご機嫌斜め。彼女を作った時から感情を理解できるようにということで彼女自身感情に近いものが持てるようにプログラムしたんだけど、心配した上に拗ねるとは予想外。ウリウリかわいい奴め! あとユキいつも通りってどういうわけだい!
そんなことを言いながらリアクターのエネルギーで動くレンジで温めたミルクを彼女の前へ。
「んで? どうしたん?」
「実はなんだけど……、私。最近つけられている気がするの。なんだかいつも視線を感じて……、ここまで来るときもずっと後ろから誰かがついてきてて……。」
思わず手で顔を覆い、あちゃ~する私、ため息をつくイヴ、キョトンとするユキ。
「ごめん、それ私。正確には私じゃないけど私関連だわ。マジごめん。」
「え、つぐみが私の事つけてたの……?」
「うん、まぁ色々ありましてね。ちょっと端折りながらなんですけど……。」
アイアンマンみたいなスーツを作ったこと、治安維持のために悪党をぶちのめしたこと、その悪党がかなり大きな組織だったこと、それと戦ってる仲間と協力することになったこと、現在ある程度の安全は確保できたけどまだどう転ぶかわからないこと。
そして私の弱点である家族と親友のユキ、ここが完全に無防備であること。家族の方は私やイヴがいるし家を色々改造して対処もできる。だけどユキはそうはいかない。勝手にユキんち改造するわけにはいかんしね? なんで一緒に戦った仲間にユキのこと見守ってもらうことをお願いしたこと。
……まぁ正確にはその仲間ヤクザだし、敵はニンジャで日本牛耳ってるヤバい奴なんだけどね。
「な、なんだか物語みたいなお話……。でもつぐみのことだし嘘じゃないのは分かる。でも……、うん。なんか実感わかないや。」
「巻き込むような形になったことは本当に……。」
「ううん、大丈夫。それにそれだけ私の事大事に思ってくれてるってことでしょ? なら嬉しい、かな?」
『良かったですねマスター。それでユキ様? マスターがユキ様にどうやって説明するか、巻き込むことに対してどう謝るかなどを思い悩む映像がございますが……、ご覧になりますか?』
「ちょ! イヴ!」
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