ハーメルン
ハイスクールD×Dの世界に転生したので、俺もハーレムを目指そうと思う
ライザー、殴ります!

修行の日々も終わりをつげ、ついに俺達は下山し、そしてレーティングゲームに臨む事になった。
下山前に修行の成果を披露するタイミングがあったが、そこで部長たちから賞賛してもらえた。
これならライザー相手でも見劣りしない、だそうだ。

そして今は試合会場の中。普段使っているオカ研の部室にそっくりなここは、なんと魔力で作った偽物の教室らしい。
魔力で作られているのはこの部室だけでなく、なんと駒王学園全体が作られているんだそうだ。
向こうばかりが優勢では不味かろうという事で、俺達の勝手知りたる学び舎がバトルフィールドに選ばれたらしい。

今は試合開始前の休憩時間。
しかし普段通りに落ち着いているヤツなんてここには居ない。
俺も木場も部長も朱乃さんも小猫ちゃんも、そして何よりアーシアも、全員引き締まった表情だ。
なんでもこの試合は、部長のお兄様…つまり魔王様も見ているらしいのだ。
その上輪廻まで見ているとなっては、絶対に無様な姿は見せられない。

大きく深呼吸して気合を入れつつ、部長から伝えられた作戦を脳内で反芻。

今回、俺は前線に出ない。
代わりにアーシアが、最前線で戦うらしい。
俺を温存してライザーとの戦いでのみ使う為でもあり、アーシア自身が輪廻に自分が強くなったと見せたいから、とのこと。
アイツが悪魔になったのも、輪廻の隣に胸を張って立てるように、強くなりたいと思ったからだそうで。

とにかく、序盤から中盤にかけては木場、小猫ちゃん、アーシア、朱乃さんの四人が戦い、その後部長と俺がライザーを叩きに行く。
それまでは、例え何があろうと俺達は待機だ。
正直、誰かがやられたってアナウンスが来たらすぐにでも駆け出しそうだけど……部長の指示だ。従おう。
というか万が一にも皆がライザーの眷属にやられるような事はないはずだ。だって、木場や小猫ちゃんは俺と一緒に輪廻から凄いトレーニングを受けたし、朱乃さんやアーシアだって、黒歌さんからかなり鍛えてもらったのだから。

「さぁ、試合開始ね。皆、この試合――必ず勝つわよ」

部長の言葉にうなずき、全員が行動を開始する。
俺は動く時まで精神統一だ。己という刃を研ぎ澄まし、極限までその切っ先を鋭くすることが、強者を穿つ最大の策だ、と輪廻に言われたからだ。

明鏡止水……とまでは行かないが、取り合えず常日頃考えているおっぱい関係の事は全て脳内からシャットアウト。
新技の洋服破壊(ドレス・ブレイク)を使う機会があったならおっぱい一色だっただろうが、生憎と俺の相手はライザー一人。男相手に素っ裸にする技を使っても誰も得しない。勿論俺もだ。

取り敢えずこの十日間。俺はやれるだけの事をすべてやった。
肉体、技術、精神力。そして神器との接し方、使い方。
達人レベルかと言われれば全然そんなことは無いが、付け焼刃だとしてもこの戦いで勝利を掴めるくらいには仕上がっているつもりだ。

――しかし、俺の神器。
修行中、神器を扱う鍛錬が多数あり、その過程で神器と多く関わる事になった訳だが、それでも名前はおろか、詳しい能力についてすらも不明なままだった。
輪廻には「もしかしたら肉体か魂がその神器を受け止めるに足りないせいで、その本質が見抜けないのかもな」と言われた。

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