あんたの自己愛のデカさ、キリマンジャロか。
「どこにいるの?」
「この先500メートルです、Sir!」
メスガキ刑事を乗せたヘリが、メスガキマウンテンに降り立つ。
彼女は雪に覆われた地面に足着くのと同時に、この場で警備にあたっていたメスガキ兵に声をかけ、現場の位置を問いただす。
そしてすぐ、猛然と山道を進んでいった。
「……」
少し遅れて、メスガキ大佐もヘリを降りる。(背丈が足りないので、誰かの手助けがいる)
メスガキ兵を労うように敬礼を交わした後、テテテと急ぎ足で追いかけて行く。
アイツは今、明らかに冷静さを失っている……。どういう事だ? 一体この“廃坑”に何が?
そう一人思考を巡らせながら。たまに雪でステーンと転び、地面におしりをぶつけて涙目になりながら。
「――――なにやってるのっ!? 人力じゃムリよ! やめなさいっ!!」
そしてなんとか追いつき、現場に到着してみると、そこには先に着いたメスガキ刑事が、部下たちを必死で止めている光景があった。
きっとメスガキポリスの4人には、ランボーが爆発に巻き込まれたように見えたのだろう。この瓦礫の下に、いま彼が埋まっていのだと、そう思い込んでいる様子だった。
おじさんが死んじゃう! はやく助けてあげなきゃ――――
そう涙を撒き散らしながら、必死で瓦礫をどかそうとし、素手で土砂を掘り返そうとしている。だいの大人でも動かせないような木材を、懸命に持ち上げようと藻掻いている。
まだ身体が小さく、力も弱い小学生の子に、出来るハズもないのに。
だがそんな事もおかまいなし。むしろこの現実を受け入れられず、「いやだいやだ」と駄々をこねるようにして。
「おちつくの! はなれなさいアンタたちっ!
ガレキがくずれでもしたら、どうするのっ!!」
掴みかかるようにして、部下達を止める。
彼女らは、信頼するボスの姿を見た途端、まるで糸が切れたように崩れ落ち、悲痛な声で泣き始める。
デカちゃんはそれをしっかり抱きしめながら、必死に声を上げて宥める。
「だいじょうぶよ! すぐオーエンがくるから! しんぱいないのっ!!
ざこブルトーザーと、ざこシュベルカーと、ざこ救急車を手配したから!」
――――ろくなモンがねぇな、この町は。
こんな時だというのに、大佐ちゃんはそう思わざるを得ない。
ちなみに、さっき彼女が乗ってきたヘリも、正式には“ざこヘリコプター”と呼ばれる機体らしい。よく墜ちずに辿り着けたものだと、内心安堵した。
「恐らくは、無事だ。
爆発があったのは、彼らが廃坑に飛び込んでから、暫くした後。
あの御方ならば、きっと回避出来ているよ。安心して良い」
やがて暫しの時が経ち、ようやくメスガキポリス達を落ち着かせ、後方の部隊に預ける事が出来た。
そのタイミングを見計らって、大佐ちゃんがメスガキ刑事に声を掛ける。
辺りのメスガキ兵たちが、必死にざこスコップを奮う音が響く中で、彼女と向かい合う。
「しかし、どうやらお前は、この場所そのものに脅威を感じているように思う。
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