第二話
「は?え、何?」
突然の声にあたふたしていると、姉さんが来て
「やったの?逃してないよね?ってどうしたの?」
と尋ねてきた。
「いや何でもない。ヤツは倒したよ」
とりあえずヤツをテイッシュにくるんで捨てた。リビングに戻ると、テレビが突然ついた。
『緊急速報です!こちらの虫に注意してください!』
そうして映し出された写真にはさっき倒したヤツと同じ見た目をしている虫が映し出されている。
『この虫はスプレーなどを使用せずに物理的な衝撃などで倒すと、その後死亡するようです!見つけた場合、倒そうとせず、その場を動かず通報してください!繰り返しますーー』
頭が真っ白になった。
「ねえあれってさっきの虫よね?」
姉さんが震えた声で尋ねて来る。
「何かあったんですか?」
優さんが料理の手を止めこちらへ来る。
「うわぁ、これは怖いですね。何かの菌が原因だったりするのでしょうか?。ってなぜそんなに青ざめているのですか?」
「いやさっきあれみたいな虫がいて、ゴキだと思って、純に殺して貰ったんですが…」
「え、それってもしかして、純さんは…」
優さんの顔も青ざめる。
その時、妙な声がしたことを思い出す。レベル、職業選択、そして道連れの呪い。まるでゲームのようだ。ラノベならスキルとかを使えば何か助かる手段があるのではないか。呪いなんだ。僧侶とか聖職者なら解呪的なものはないのだろうか。そう考えていると、頭に文字が浮かんできた。
(お?)
名前 深井 純
ステータス
レベル 10
攻撃 20(直接10 間接10)
素早さ 20
防御 20(直接 10 間接 10)
魔力 20
職業 なし
スキル なし
状態異常 道連れの呪い
称号 ???? 解析度 1/10
「ねえ!純!大丈夫なの?死なないで!」
姉さんの声が聞こえるが一旦無視して文字に意識を向ける。
気になるところも多いがとりあえず道連れの呪いという明らかに何かに関わってそうな文字に意識を向けると、詳細が現れた。
≪道連れの呪い≫
ゴキヤェロを直接倒した時、倒した生物に付与される。ゴキヤェロの死因と同じ死に方をする。2分以内に解呪するか、ゴキヤェロの体を完全に無くせば消える。
残り時間3秒
あ、終わった。
体に強い衝撃が走る。ベチっと地面に叩きつけられ、考える暇もなくもう一度体に衝撃が走った。体が潰れ、あたりに血が広がっていく。
どうやらこれでは死ねないようで、意識がまだ残っている。血の匂いと叫び声が響く中で痛みに苦しむ。
そして体が見えない何かに包まれ、潰された。
━━━━目が覚める。
体を起こし、生きていることを実感する。視界にはうずくまる姉さんと優さんが入ってきた。
「姉さん!どうしたの?」
まずはかけよってうずくまっている姉さんに声をかける。
「え、純?生ぎでるの?」
姉さんは目を赤く腫れた目を擦りながら俺に問い掛ける。
「うん」
「っ…良かった」
ひどく安堵したように息をはき、笑顔になる。だが、すぐに焦った顔になり、
「純!服に血がついているけどほんとに大丈夫なの?それに体戻っているわよ?」
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