ハーメルン
生まれ変わったら死にゲー
義理の姉と可愛がっていた近所の女の子に脳破壊された犬の話






「ティシ―、
……またお前か。
二度と盗ませぬ。
お前は強い。
ゆえに、死よ、今一度我が剣に」

「マズい!
柱の陰に隠れろ!」


マリケス戦開始。
まさかの想定外。
俺を見た瞬間死のルーンを砕きやがった。
前みたいに優しくしてくれるかなあ、なんて甘い考えは一瞬で打ち砕かれたわけだ。

第一形態ならともかく、第二形態は赤獅子の炎を当てる隙がない。
いや、ゲームなら死にながら行動パターンを覚えて隙を見つけて攻略、ってやるんだけど、
俺は一回死んだら終わりだ。

というわけで撤退。
俺は黒き剣を柱で避けて、迷わず祝福の記憶を使用した。


俺が戻ってから少しして褪せ人くんも戻ってきた。
死んだ?と聞いたら違うらしい。
何気に褪せ人くんも俺と会ってからはノーデスだな。
やるじゃん。

さーて、どうしようかなあ。
拘束具とかないしなあ。
……そういえば専用アイテムあったよな。
冒涜の爪、だったかな?を使えば楽になるか。
さっきの神肌戦で呼べた協力NPCのベルナールさんを倒せばいいんだよね。

でも火山館のイベント進めないといけないはず。
うーん、嫌だなあ。
死のリスク高いイベントだし、ベルナール自体もかなり強い。

とはいえガチるのはリスク高いなあ。
うーん、とりあえず偵察行ってみるか。

褪せ人くんを置いて様子を見に行ってみる。
バレないようにボス部屋を覗くと、獣の司祭姿に戻っている。

どういう仕組みなんだろう。
てっきりゲームと違って黒き剣モードのままだと思った。
火の巨人戦で戻ったらどうなってたんだろう?
足くっつくのかな?
試すのはリスク高いからやりたくないけど。

砕いたルーンが戻っているということは時間が巻き戻っているのかな?
それともブラボみたいに夢の世界的な?


まあいいや。
大いなる意思の不思議パワーとかそんなんだろ。
とりあえずリセットされるのなら作戦は決まった。

早速祝福に戻って褪せ人くんに伝えよう。
















「運命の死に近づく者よ
もう二度と、誰にも、盗ませはせぬ」


褪せ人くんが無言でくらげを呼び出して杖を構える。
獣の司祭の攻撃で注意すべきは大小の岩を投げる攻撃と爪のような衝撃波を飛ばす攻撃だ。
褪せ人くんにはタゲ取りをくららに任せて柱の陰から岩石弾を撃つように言っておいた。

俺?
俺は隠れてる。

見えない体を使用し、褪せ人くんの後ろに重なるようにボス部屋に入って、
部屋の崖のような部分にぶら下がるようにして隠れた。
俺の姿を見られると死のルーンを開放されてしまう。
ならば隠れればいいという寸法だ。

獣の司祭状態でも隙が少なく、強いが、攻撃力が段違いだ。
黒き剣状態で攻撃を貰うと3発でお陀仏だが、獣の司祭状態なら8発は耐える。
攻撃範囲もそんなに広くないから逃げに徹すれば被弾も少なくて済む。
後は褪せ人くんに任せて死のルーンを開放するまで頑張ってもらうのだ。

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