ハーメルン
気がついたら祟り神様(純粋)と一緒に呪術の世界にいた話
03.セイと瑠風の何気ない日 part.Ⅱ
「わはー!街って本当に大きいなぁ!!」
「あまり逸れたらダメだよ、セイ。」
「りょっか!!あ、るかるか!今からどこに行くのだ?」
「そうだね……せっかくだし、ショッピングモールあたりかな……」
「ショッピングモール?」
「いろんなお店が入ってる大きな建物だよ。」
朝食を食べ、身支度を済ませ、呪術廻戦の世界にはどんな場所があるのかを見て回るために外に出る。
私と話ができる太歳星君は、自身の姿を一時的に現界させ、私の横にくっついていたり。
にしてもびっくりしたな。まさか、太歳星君がちゃっかり肉体を得て、人間に溶け込めるなんて思わなかったよ。
どうしたのそれって聞いても、太歳星君自身はわかんないって言うから、仕掛けまではわからないけどさ。
「いろんなお店かー!楽しみなのだ!」
「初めて行くんだっけ?」
「うん!ワガハイ、初めてなのだ!どんなお店があるんだ?」
「服を売ってる場所だったり、靴を売ってる場所だったり、日用品を売ってる場所出たりと、沢山のお店があるよ。ご飯を食べる場所もあるし、ゲームセンターもあるかな。」
「ゲームセンター!それ聞いたことある!いっぱい遊べる場所だ!」
「そうだね。時間があったら行ってみようか。」
「りょっか!」
にこにこと明るい笑顔を見せながら、私の横を歩く太歳星君。彼の服装は、とりあえず自分の小さい時のものを組み合わせている。
小さい時から、私はスカートよりズボン派の子どもで、服の柄とかもシンプルなものばかりが主力だったから、太歳星君が着ても問題はなかった。
パーカーを気にしていたけど……ラムダたちの記憶が曖昧ながらも片隅にあるからだろうか。
まぁ、それを聞いても、太歳星君自体はよくわかってない状態みたいだから、何とも言えないけど。
「るかるかは、ショッピングモールに何しに行くんだ?」
「うん?そうだね。服を見に行こうかなって。去年の服はまだ着ることができるけど、何回も洗って干してを繰り返していると、やっぱり生地の色が褪せたりしちゃうからね。まぁ、お小遣いはそこまで沢山あるわけじゃないから、買うものは考えないとだけど。」
「そっかー。でも、るかるかは綺麗だから、きっといろんな服が似合うと思うのだ。」
「そう?」
「うん!ワガハイ、沢山の綺麗なものを見たことがあるけど、るかるかも負けてないぞ!」
「へぇ……それは嬉しいな。」
とはいえ、私はキミの記憶の片隅にある一番綺麗なものには負けてると思うけどな……なんて言葉は飲み込んで、褒めてくれた太歳星君の言葉に、嬉しいと一言返す。
太歳星君は無著な笑顔を見せながら、私の手をぎゅっと握ってきた。
「るかるかはどんな服を買うんだ?」
「そうだね……基本的に動きやすい格好をするけど、もうすぐ高校生だし、スカートやワンピースにも挑戦してみようかな。」
「スカート?ワンピース?」
「スカートは、私が学校に行く時に履いていたヒラヒラしたやつだよ。まぁ、あんまり短いのは履きたくないから長さはあれより長めのものを選ぶけど。ワンピースって言うのは……ほら、あそこのお姉さんが来ているような服だよ。」
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