ハーメルン
気がついたら祟り神様(純粋)と一緒に呪術の世界にいた話
04.セイと瑠風の何気ない日常 part.Ⅲ
「うーん……これが良いかなぁ……こっちも似合いそうだなぁ……あ!こっちも良いかも!」
ショッピングモールにたどり着き、早速足を運んだブティック。こっちの世界にも向こうと同じように、安くて尚且つ種類豊富の店があったことに少しだけ驚きながらも、お財布に優しいと思い入ってみたら、太歳星君はすぐにレディースの服が並んでるブースの方へと向かっていった。
すぐにその後を追い、あまり離れすぎないようにと注意しようとしたところ、そこでは太歳星君があれも良いしこれも良いといろんな服を物色していた。
「セイ。一人で離れすぎないで。」
「りょっか!なぁなぁるかるか!これとかるかるかに似合いそうなのだ!」
「ん?どれ?」
「これだぞ!るかるかはスカートって言うヒラヒラした奴も買おうとしていたし、この服なら合うかもしれないのだ。」
「本当?じゃあ、あとで試着してみようかな。」
「見たい見たい!そう言えばるかるか。スカートって色々あるみたいだぞ?どんなスカートを選ぶんだ?」
「そうだね……私はあんまり短すぎるスカートは得意じゃないから、こんな感じの長いスカートを探すつもりだよ。」
「なるほどなー。じゃあじゃあ、こんな服はどうだ?るかるかにきっと似合うと思うのだ!」
「……へぇ……確かに、こんな感じの服装は割と好きだよ。」
「やったー!じゃあ、スカートはこんな感じがいいと思う!」
「……ちょっと色が可愛らしすぎないかな?」
「そうでもないと思うぞ?るかるかなら絶対に似合う!」
「そうかな……。」
「うん!試着してほしいぞ。」
「じゃあ、これとこれを試しに着てみようかな。」
「わはー!絶対可愛いのだ!」
側から見たらどう思われているのだろうか。
明らかに歳の離れた二人組。女は小学生くらいの少年にあれを着てこれを着てと服を手渡され、少年からは絶対に可愛いだのなんだのと褒められている。
……かなりシュールな光景にしか見えなさそうだと苦笑いが出そうになった。
でも、太歳星君が服を選んではどうだと聞いてくる姿は可愛らしくもある。何より楽しそうにしているから、考え過ぎなくてもいいかもしれない。
「るかるか。試着はまだか?」
「もうちょっと服を見てからね。もしかしたら、他にも着たくなるような服があるかもしれないし。」
「りょっか!」
「こっちにおいで。逸れないように手を繋ごう。」
「うん!」
太歳星君と手を繋ぎ、ブティックの中をうろうろする。すると、パジャマなどが売られているコーナーにやってきた。
新しいパジャマか……少しだけそこを見て回りながら、どんなパジャマが売られているのか確かめていると、明るい声でるかるかと名前を呼ばれた。
声の方へと目を向けてみれば、そこにはペンギンパーカーを手にしている太歳星君の姿が……。うん……なるほど?
「なぁなぁるかるか!これ買ってほしいのだ!」
「……ちょっと値段を拝見。」
値札に目を向けてみれば、意外にもお手頃価格だった。ふむ……ラムダたちとの記憶は曖昧だけど、頭の片隅にはやっぱり存在しているんだな……。
サイズはキッズと通常のサイズがある。……太歳星君が手にしているのは通常サイズ……うーん……まぁ、これなら大きくなっても着れそうだな……。
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