第五話 青かった赤い星への帰還
ギンガが時空管理局についての説明を終え、そして束から地球の現状について話されたギンガがひどくショックを受けた。
そこに、
「ホレ、束、持ってきたぞ!!」
カートの上に食事を乗せたディアーチェが医務室へとやってきた。
「なっ!?」
ディアーチェの姿を見たギンガは驚愕した。
「は、はやてさん!?」
そして思わず、自分が知るディアーチェそっくりの人物の名を口にした。
「ん?はやて?誰だ?それは?我の名は、ディアーチェ・K・クローディア。この予備役艦隊の臨時副司令官兼厨房長補佐を務めておる。で?お主は?」
「し、失礼しました。私はギンガ・ナカジマと言います」
人違いだったため、ギンガはそれを詫び、改めてディアーチェに自己紹介をした。
(冷静に考えてみればはやてさんがこの場に居る訳ないわよね)
と、思うギンガだった。
「そうか、それでその『はやて』とやらはそんなに我にそっくりなのか?」
「は、はい、髪の毛と瞳の色‥‥それに口調以外は瓜二つです」
「そうなのか?まぁ、世の中には自分に似た人間は三人はいるというからな。我もお前に似ている人物を知っておるぞ」
「そ、そうなんですか!?」
「うむ、この束の母親代わりをしている奴にそっくりだ」
「へぇ~」
そうしてディアーチェが作った料理をギンガは食べ始めたのだが・・
「きっ貴様はどんだけ食うのだ!もうお代わりは残っておらんぞ!!」
そう、異世界に来てもギンガの持ち前の食い意地は健在であった。
「はぁ~。まったく、まあそんだけ食えばげんきになるだろう。」
ディアーチェは呆れ顔だったが仕方ないと割り切った
((忍さんとお母さんにますますそっくり。)
束とリニスはその光景をみて束の故人の母と義理の母の忍を思い浮かべた。
そうして長門隷下の予備役艦隊と戦艦キリシマは月軌道に差し掛かった。
宇宙戦艦キリシマ 艦橋
「本艦後方より飛来物が来ます」
その時、キリシマと長門の後方から二つの飛来物が通り過ぎていった。
「エネルギー反応からみて遊星爆弾です」
それは冥王星、ガミラス軍基地から発射され、地球を青い星から赤く放射能まみれにした元凶‥‥ガミラスの遊星爆弾だった。
それは冥王星、ガミラス軍基地から発射され、地球を青い星から赤く放射能まみれにした元凶‥‥ガミラスの遊星爆弾だった。
「遊星爆弾、本艦隊の上方を通過。地球への落下コースをとっています。」
「主砲は打てるか!?」
山南は焼け石に水なのは分かっているが、このまま黙って遊星爆弾の落下を見ているわけにはいかず、主砲による遊星爆弾の破壊に試みようとするが、
「無理です。今から主砲を向けても間に合いません、あの速度では。」
「っく。」
砲術手の言葉に山南は悔しそうに顔を歪める。
「ダメだ‥‥もう今は防げない 我々には あの遊星爆弾を防ぐ力は無い、あれが我々の母なる地球の姿だとはなぁ‥‥」
キリシマの艦橋から地球へと落下していく遊星爆弾を見て呟いた。
[9]前話 [1]次 最初 最後 [5]目次 [3]栞
現在:1/2
[6]トップ/[8]マイページ
小説検索/ランキング
利用規約/FAQ/運営情報
取扱説明書/プライバシーポリシー
※下部メニューはPC版へのリンク