第四話 次元世界の住民との対話
私の様子に気が付いた様で、人の声がして、誰かが私に近づいてきた。
その人物は黒いズボンに赤い十字マークが書かれている白衣を着ている女の人で、その女性の格好から医師だとわかった。
ただ、医師なのに頭にはナースキャップの様な帽子を被っている。
「はじめまして、私は軍医の月村 リニス。貴女は、さっきこの艦の艦長に救助されたのよ」
(艦ってことは次元航行艦の事よね?)
(って!?あれからどうなったんだろう!?)
(そうだ!!窃盗団は!?)
(それよりもこっちの情報が筒抜けだったことを父さんに急いで伝えないと!!)
「ところで、貴女の名前は?」
焦っている私にリニスさんが名前を聞いてきたので、
「失礼しました。陸士108部隊所属のギンガ・ナカジマ陸曹です。あの‥‥」
「なんです?」
「急ぎ、108部隊のナカジマ三佐にお伝えしたいことがあるんですけど‥‥」
「‥‥」
私が父と連絡を取りたいことを言うと、リニスさんは少し怪訝な顔をして、
「ナカジマさん、大変言いにくいことなんだけど‥‥」
「なんですか?」
その後、リニスさんの口から衝撃的な一言が発せられた。
「此処は、管理局の次元航行艦じゃないの」
「えっ!?」
リニスさんのこの一言に私は衝撃を受けた。
ギンガ side out
リニスside
(まあ驚くわよね・)
リニスのこの言葉にギンガは衝撃を受けた様で、そのまま体を硬直させた。
(管理局の次元航行艦じゃない?それじゃあ此処は‥‥?っ!?まさか!?)
ギンガは此処が管理局の次元航行艦じゃないという言葉を聞き、此処が、自分たちが追っていた窃盗団の船かと思った。
しかし、リニスのこの言葉で、別の意味で困惑した。
「ここは国連宇宙軍予備役艦隊の臨時旗艦『長門』の医務室よ」
(国連‥宇宙軍――?一体どういうこと!?)
ギンガ自身、管理局が認識している地球という世界については、いくつか覚えがあった。
父、ゲンヤの先祖も元は地球出身者であり、今度出向予定だった六課部隊長の八神 はやて、そして管理局のエース・オブ・エース、高町 なのは も同じく地球出身者だったため、管理局内ではたまに地球の事が取りざたされていた。
その事は当然、管理局員であるギンガの耳にも届いていた。
しかし、聞いた話では地球はミッド程、宇宙開発技術は進んでおらず、ようやく、衛星である月にたどり着いたとか、宇宙ステーションを開発し始めたというレベルで、宇宙防衛を専門とする組織が存在していたなんて聞いていない。
「この制服とさっきの108部隊って事は貴女、管理局の関係者よね?」
リニスの問いにギンガの疑問はますます深まる。
「え、ええ、そうですけど‥貴女は管理局を知っているんですか?」
「私も昔、ミッドに住んでいたから」
「そうなんですか!?」
思わぬところで同郷の人と会い、声をおもわずあげてしまうギンガだった。
「それと、さっき貴女のリンカーコアを一応調べさえてもらったのだけど、貴女‥普通の魔導士じゃないわね?」
[9]前 [1]次 最初 最後 [5]目次 [3]栞
現在:2/3
[6]トップ/[8]マイページ
小説検索/ランキング
利用規約/FAQ/運営情報
取扱説明書/プライバシーポリシー
※下部メニューはPC版へのリンク