ハーメルン
ヘタレガンナーと戦闘狂ヒロイン達
11話・オペレーター餅坂由奈

 次の日。防衛任務が終わった風矢と雫は城山と合流する。

「よくきたわね!」

 バンっと、カッコつけている城山だが、昨日のお仕置きの影響でお尻を押さえていた。

「またお仕置きされたいの?」
「ひいぃ!? そ、そうではないわ!」
(あー、力関係ができたな)

 細かい事は知らないが雫から厳しいお仕置きをしたと耳にしているので、風矢自身はこれ以上は追撃しないようにする。

「で、だ! チームを組むのにはオペレーターがいるがどうするんだ?」
「その件ならアテあるわ!」
「貴女、本当に自由人ね」

 雫のお仕置きにビビりながらも体勢を崩さない城山は、ボーダー用のスマホを使い連絡を取った。

(誰を呼ぶんだよ)
(美鈴にオペレーターの知り合いがいたのね)

 2人とも似たような意見を思い浮かべ、連絡が終わったのか耳からスマホを離した城山は風矢と雫の方を見た。

「じゃあ行くわよ!」
「どこによ?」
「ついてきたらわかるわ」
(いや、会話が繋がってない)

 場所説明がないまま風矢と雫をある場所……それはフリーのオペレーターが集まる中央オペレーター室。

「失礼するわ!」
「まあ、予想はしていたわ」
(だろうなー)

 問題児が増えた感覚があるのか、風矢は胃の痛みを抑えながら中央オペレーター室に入る。

 ーー

 中央オペレーター室にある個室に案内された風矢達は、出されたお茶を飲みながら口を開く。

「ったく、オペレーターなんてどう見つけたんだよ」
「廊下で迷っている子を見つけて案内したら懐かれたわ」
「美鈴、アンタ……案内ができるのね」
「雫! ワタクシの事をなんて思っているのかしら?」
「常識を知らない箱入り娘」
「そこまでストレートに言わないでくださいまし!」
(漫画の貴族令嬢みたいでもあるな)

 何個か思いついたのか、貴族ネタで城山を弄ろうとした風矢だったが部屋のドアが開きある人物が中に入ってくる。

「こんにちはー、そこのポンコツ女に呼ばれて来たオペレーターの餅坂由奈ですー。よろしくお願いします」
「よ、よろしくお願いします」
「う、うん。よろしく」

 個室に入ってきたのは黒髪ボブヘアの小柄な少女である餅坂。彼女は城山を見てため息を吐きながら一礼し、風矢達も軽い自己紹介をする。

「えっと、ヘタレガンナーの月白君とバーサクアタッカーの水山さんでいいんですよねー」
「「よくない!?」」
「あら、ワタクシがピッタリの名前をつけたのに不満なのかしら?」
「「後で覚えておけよ(おきなさい)」」
「ちょっ、目が怖いですわ!?」

 ここで城山へのお仕置きが確定したが、今は一旦置いておいて餅坂の方を見る。

「それで餅坂さんは俺達のオペレーターをしてくれるんだよな」
「……不本意ながら」
「大丈夫……私達も似た気持ちよ」
(なんか雫が成長してないか?)

 他人に興味を持たなかった雫がロリっ子とは言え、相手を労わる言葉が言えるようになった。それだけでも大きな成長だと思いながら風矢は泣きそうになる。

「さて皆さま、隊長であるワタクシの言葉に耳を傾けなさい」

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