ハーメルン
寝取られゲーに転生したけど、性別反転したせいでただのハーレムになってる
第8話 不良グループに目を付けられました





 多田野優。
 俺の幼馴染であるゆーちゃんのクラスにおける評価はそれほど高くない。
 目隠れ女子でボクっ娘、引っ込み思案なところがあり交友関係は狭い。
 勉強や運動は平均よりちょっと下で家事も苦手。
 容姿に関しては、俺はすごく可愛いと思うんだけど何故か男子連中には受けが悪い。たぶん化粧をしないせいでどことなく地味な雰囲気があるせいだろう。
 派手な分かりやすい美少女でなく、素朴なかわいい子って感じ。
 スタイルは……まあ、薫ちゃん先生よりはある、かな?
  
 もっとも、ゆーちゃんの良いところはそんな表面的な部分じゃない。
 輪に入れずにいた俺に手を差し伸べてくれる優しさに、傍に居てほっとするところ。
 おいしい、すごい、ありがとう。人見知りするのに素直な言葉をまっすぐ伝えられるところ。
 誰かが嬉しい時には一緒になって喜んで、誰かが悲しい時にはその人のために泣けるところ。
 ただちょっと精神的に弱い部分があって、「ボクが我慢すればいいなら……」なんて考えてしまうこともしばしば。
 そういう性格のせいで貧乏くじを引いちゃう時もあるけれど、だから余計に俺がお世話したいと思ってしまう。
 つまり、俺はわりと強めに惚れちゃっているのだ。

「けどさぁ、やっぱり櫻井くんと出部吉さんってお似合いだよねぇ」

 にも拘らず、クラスの女子にはそんなことを言ってくる人が少なからずいる。

「いやいや、そんなことないよ。麗華さんとはただの菓子友」
「そうですよぉ」

 と二人して否定しても「ほら、息ぴったりじゃん!」と盛り上がる始末。
 男子の中にも「まじで、うちの美男美女カップルだよなぁ」なんて露骨に俺達を引っ付けようとする勢力がいる。
 わざわざ波風は立てたくない。やんわりと否定するがあんまり効果はないし、麗華さんの今日のお昼はガツ盛りスペシャルかつ丼だ(脈絡)。
 のほほん美少女な麗華さんは、びっくりするぐらい食べる。
 この前一緒になったラーメン屋では“超デカ盛り野菜マシマシチャーシューメン”を見事完食、その雄姿を称えた写真が店には貼られている。

「それ、“かつ勝つ亭”の新メニューだよね?」
「はい。ボリュームがっつり味もしっかり、おすすめなのでハルキさんも是非一度試してくださいね~。はぁ、かつ丼が環境庁長官になれば汚染問題も解決するのにぃ」
 
 時々彼女はよく分からないことを言う。

「デブ吉、太るぞ」
「大丈夫ですよぉ、涼さん。私、お肉は胸にだけいくみたいなんで~」
「は?」

 あと余計なことも結構言う。
 おかげで井川さん青筋ぴくぴくだ。

「うーん、美味しそうに食べる子は可愛いよね」
「そういうことサラっと言っちゃうハルキさんも素敵ですよ~。ちなみに玉ねぎはシャクシャクよりトロトロ派ですぅ」
「そこは俺も一緒かな。じゃあ、俺達も飯食いに行こうか」

 満面の笑みでかつ丼を食べる麗華さんにほんわかしつつ、ゆーちゃんや瀬名さんと一緒に中庭へ。
 お弁当は大体この三人で食べることが多かった。
 


 中庭は普通に解放されているのでちらほらと生徒の姿がある。
 景観もいいし風も心地よく、俺達にとっても憩いの場となっていた。 

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