ハーメルン
えんだーりりーず! ~リリィの秘密の日記帳~
13日目 最後の日記:リリィの夢


 ……だいたいこんな感じかな? 最初の頃に比べると、リリィもずいぶん日記を書くのに慣れてきた気がする。ろうそくもまだまだ全然残っているから……うん、やっぱり書くのがすっごく速くなってる!

 これはもう、リリィは既に完璧なおねえちゃんだと言っても過言じゃないかも!?

 さて。これを読んでいる……おねえちゃんを超えた更なるおねえちゃんになったリリィへ、伝えなきゃいけないことがあります。

 きっと覚えているだろうけど、今日で日記はおしまいです。別にサボりたいとか飽きちゃったとかそういうわけじゃなくて、もう使えるインクが無くなっちゃったの。今まで騙し騙し使っていたけど、さすがにもう限界かな。この冒険が終ったら、ちゃんとしたインクも探さないと!

 ……ホントはあとちょっぴり残ってるけど、どうせ黒騎士が使うだろうから。だからリリィの日記は、ここでおしまい。

 うん、リリィ、頑張った! リリィの日記は──これで、おしまい!



▲▽▲▽▲▽▲▽



 帰るべき場所なんて、ずっと昔に忘れていたと思っていた。そもそもそんなものがあったのかすらわからないというのに……いつしか、お前の傍が私の帰る場所になっていた。それだけでもう、私はお前から十分すぎるほどのものを貰えたと思っているよ。

 そしてリリィ。短い期間だったとはいえ、よくぞ日記を書き通せたな。正直な所、三日もすれば飽きると最初は思っていたのだが、ここまでちゃんと、しっかり書き上げたのは他でもないお前の努力の賜物だ。

 気づいているか?

 もう、最初とは違ってスペルミスもほとんどなくなった。変な所での改行も無いし、字も全体的に綺麗になっている。日記を書く時間が短くなったのはお前も気づいたようだが、それはすなわち、自分の気持ちを文章としてまとめるのが上手くなったということでもある。その年でそれができる人間は……大人であっても、多くはないんだ。

 この日記をきちんと書き上げたという経験は、間違いなくお前の糧になっている。この日記を書き上げたという事実を、誇りに思え。

 お前はもう、お前が思っている以上に立派なレディで、「おねえちゃん」だ。この日記こそが他でもないその証明。一生の宝物として大切にするようにな。……願わくば、早くインクを見つけてこれからもずっと書き続けてほしい。

 さて、最後に。

 リリィへ。

 日記の完結、改めておめでとう。よく頑張ったな。

 あと、お城での暮らしを夢見るのは構わないし、むしろそういうのはもっとしてほしいとすら思っているのだが、私の名前がまるで出てこないというのはちょっとひどくないか? いや、そりゃあ、他の人間たちと違って、この時代での私は定職にはついていないが、不死の騎士は名誉あるものであり、なろうと思ってなれるようなものじゃないんだ。

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