ハーメルン
えんだーりりーず! ~リリィの秘密の日記帳~
5日目 黒騎士は体調不良でおやすみ


 今日はとっても衝撃的なことがありました。朝起きて、さぁ、冒険に行くぞーっ! ってなったのに、今日はどれだけ呼んでも黒騎士がやってきてくれませんでした。

 リリィはもう、とってもとっても不安になってオロオロしていたんだけど、なんと……今日は黒騎士は、体調不良でお休みだってイレイェンが教えてくれたの。

 よくわかんないけど、黒騎士は昨日の夜の遅くまで夜更かしして、あとおなかを出したまま寝ちゃったせいで風邪を引いちゃったみたい。『元々失うような肉体は私たちにはないから。一日もあれば戻るはずだよ。だから今日は、女の子だけで冒険しようか』ってイレイェンが言ってくれたので、そういうことになりました。

 なので今日は、シーグリッド、シルヴァ、イレイェン、リリィの四人で冒険しました。敵が遠くにいる時はイレイェンが攻撃を担当して、敵が近くにいる時はシルヴァが攻撃を担当して、いよいよもってそれでも倒せないならシーグリッドが鉄球をぶんぶん振り回し、そしてリリィがみんなを応援するという最強で無敵のコンビネーションです。

 ……ただ、なんかいつにもまして、シーグリッドが凄かったような気がする。普段だってシーグリッドはあんなにも重そうな鉄球を軽々と振り回しているけれど、今日のシーグリッドは本当に迫力が違ったような気がするの。たぶん、鉄球がもう一本あってもらくちんで振り回せていたと思う。

 『勇ましいシーグリッドも本当に素敵……!』ってシルヴァもとっても嬉しそうでした。シルヴァがそんな風に声を漏らす度に、より一段と鉄球が風を切り裂く音は強くなっていきます。大好きなおねえちゃんから褒めてもらって、シーグリッドも嬉しかったんだと思う。

 シーグリッドは照れ屋で恥ずかしがり屋さんなだけなのかな。何回か、『うるさい、次に口を開いたら当てるぞ』ってシルヴァに照れ隠ししていたし……やっぱりシーグリッドもシルヴァのことが大好きなんだ!

 でも、素直じゃないなあ……あっ、シーグリッドは妹だからかな? 甘えたいときは素直に甘えてもいいのに。リリィはおねえちゃんだから、逆に素直に甘えられるけどね。意地を張っちゃうシーグリッドはやっぱり妹で、ちょっとかわいい。

 女の子だけの冒険は普通に進んだけれど、今日はちょっぴり早めに休むことにしました。別に、黒騎士と会えなくて寂しかったというわけではありません。早く寝て早く明日が来れば、その分早く黒騎士に会えるとか、全然思っていません。

 ……今のうそ。ホントはちょっと……ううん、とっても寂しい。リリィが初めて会ったのは黒騎士で、リリィが目覚めてからずっとそばにいてくれたのも黒騎士だから。黒騎士が隣にいないのは今日が初めてで……それがこんなにも悲しくて苦しいだなんて、知らなかった。知りたくなかった。

 泣かない。リリィはおねえちゃんだから、寂しくても泣かないもん。ただ、ちょっとシーグリッドの添い寝をしてあげるだけ。本当にそれだけなんだから。

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