ハーメルン
えんだーりりーず! ~リリィの秘密の日記帳~
6日目 お歌の一日!


 あの野郎、リリィが無邪気なことをいいことに、『僕も歌に混ぜてほしいな!』などとぬけぬけと抜かして……まぁ、酷い歌を歌っていたよ。いや、あれを歌と形容するのは歌に失礼か。

 いや、酷く心外と言うか信じがたいことに、ファーデンの声そのものは綺麗で歌もうまいのだ。なのに、その歌詞だけがあまりにも酷くて全てを帳消しにしてしまっている。それをあえてリリィの歌にかぶせてくるというのだから、あの男の底意地の悪さがうかがえるというものだ。

 例えるなら、上等のステーキに上等のはちみつをブチまけるかのような愚行。もっと言えば、そんな惨状に悲しむ人間を見て、ファーデンは心底おかしそうにゲラゲラ笑うことが出来るのだ。あいつはそういうやつなのである。

 やめよう。少々愚痴っぽくなった。ただ一つだけ知っておいてほしいのは……リリィのあの歌声は、とても可愛らしく愛おしいものだった、ということである。



 ──ファーデンの歌が上手いだって? いやあいつ普通に下手くそだよ。

 ──あまりにもセンスが無い。性格の悪さが歌にも出ている。

 ──シンプルにダサい。

 ──ごめんなさい、これに関しては私も擁護できないです……。

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