9日目 みんなでドライブ
今日は頑張って、日記を書こうと思います。
昨日が昨日で大変だったので、リリィもみんなもお疲れ気味でした。特にシーグリッドとシルヴァはかなりぐったりとしていて、リリィが支えてあげなきゃ立っているのもやっとという感じです。
なので、今日はみんなでお休みと言うことにして、気分転換がてらに馬車でドライブすることにしました。
あちこちがボロボロになってしまっているこの国だけれど、それでも大自然の綺麗な景色はまだ残っています。リリィは特に魔術協会の近くの森が好きなので、そのあたりを中心にゆったりと景色を楽しみました。
あの、綺麗に輝く植物がリリィのお気に入り。どうせならもっといろんなところで見たいけれど……あの付近にしか生えているのを見たことが無いな。 日当たり、ってことは無いだろうし、お水が温度か、その辺の理由なのかも?
イレイェンならわかるのかな? それとも案外、ウルヴくんが詳しかったりして。ウルヴくん、お花が大好きだから。いつもね、綺麗なお花を見つけると真っ先にリリィに教えてくれるんだよ!
うーん、ちょっと短いけど、まだ昨日の疲れが残っているし今日はこのくらいにしておこうかな? 明日からはもうちょっと深いところを探索しようっていう話にもなっていたし。気分転換がしっかりできたのだから、体もしっかり休めないと……だよね?
うん、リリィ、頑張った! 今日はこの辺で、おしまい!
▲▽▲▽▲▽▲▽
毎度のことながら、あの御者はいったい何者なのだろうか? 初めて会った時からただものではないと思っていたが、それがいよいよ極まってきた感じがする。呼べば幾許もしないうちに風のように現れて、そして私たちを的確に目的地へと連れて行ってくれる……その存在自体は非常に頼もしいのだが。
考えても見てほしい。こうも荒れ放題のこの国の道……いや、もはや道とすら呼べない場所であっても、あの御者はいつも通りすさまじい速度で馬を駆る……駆る、でいいのか? 馬車も馬も御者も一体化しているから正しい表現がよくわからない。
ともかく、荒道だろうと獣道だろうと、なんなら崖の上だろうが塔の上だろうがあの御者は当たり前のように突き進む。水中を進んだ先の場所であってもやってきたときは、果たして彼が本当に御者なのか疑ったくらいだ。
水中どころか、凄まじい穢れ溜まりの先であっても平然としているからな彼。しかもそれでいて、一度たりとも正気を失ったりはしていない。私が知る限り、あれほどの穢れに侵されてなお……白巫女による浄化を受けてすらいないのに狂っていないのは、彼しかいない。
いや、待てよ?
改めて振り返ると、あいつ普段穢者にどうやって対応しているんだ? なぜ我々は安全に移動が出来ているんだ?
[9]前話 [1]次 最初 最後 [5]目次 [3]栞
現在:1/2
[6]トップ/[8]マイページ
小説検索/ランキング
利用規約/FAQ/運営情報
取扱説明書/プライバシーポリシー
※下部メニューはPC版へのリンク