ハーメルン
ベル・クラネルの治癒魔法の使い方は間違っているだろうか?
花を千切るのは間違っているだろうか?


 瓦礫をどけ埃を払いながら立ち上がるベル。己の拳を見つめる。
 皮は破けていないが、内出血ぐらいはしてるかもしれない。と……

『オ、オオオオオオオ!!』

 ベルに殴られた個体の頭にピッと線が走り、()()()。呼応するように闇の奥から方向が響き花が現れる。合計、7匹。

「花? ……蛇じゃなかった」

 アーディの言う通り、顔のない蛇かと思っていたモンスターの正体は長く太い曲がる茎を持った植物型モンスター。よくよく見れば尾を持たず、体の末端には根のようなものがあり、そこから伸びる蔓もそのモンスターが植物であると言っているようだ。
 花の色は毒々しい極彩色。

「はっ!」

 振るわれた蔓を切り払い、本体にも斬りかかる。ザグリと大きな傷が付き食人花は悲鳴を上げる。

「斬撃は通る………ベル君!」

 サポートをお願い! そう言おうとした瞬間、食人花達は一斉にベルへと接近する。

「!?」

 突然の行動にアーディの反応が遅れる。己に決定打を与えられないベルを狙った? モンスターが?
 いや、下の方ならその手の知恵を手にするが………!
 
「よし………」

 手の内出血を治癒魔法で癒やしながら、ベルは迫りくるモンスター達を一瞥する。
 打撃に対する耐性が異様に高い。それ以外のスペックは、ベルの格下。体が大きく重い分、体当たりの威力はまああるのだろうが、ベルにとって問題はない。
 最初の1匹を踏みつけ2匹目を蹴り上げ3匹目、4匹目を肘で殴りその勢いで回転し5匹目にぶつけ、6匹目を掴み2匹に叩きつけ最後の1匹の上顎を掴み引き千切る。

「……千切ろう」

 殴られた付近がやはり割けていた。その付近を両手で掴み、左右に力を込める。ブチブチと傷が広がり、食人花の体が裂けた。
 感覚をつかんだのか、次からは傷に片手を突っ込み強引に引きちぎる。
 ブチブチミチミチと嫌な音と食人花の絶叫が広間に響きアーディがうわぁ、と声を漏らした。
 悲鳴も消え、素手にて引き千切られたモンスターの死骸が広間に転がる。

「ふう……」
「…………お疲れ、ベル君。私、お姉ちゃん達呼んでくるからここ見張っててもらえるかな?」

 一仕事した、というように額を拭うベルにアーディが呆れたように言う。

「僕が呼んで来ましょうか?」
「ううん、ここにいて。絶対居て……水持ってくるから、自分の姿を良く見て」

 素手で超大型級のモンスターを引き千切ったため、血だらけだった。因みに血の色は紫だ。





「新種だな……しかしこれは、どういう倒し方をしたんだ?」
「ベル君が素手で引き千切ったよ」

 アーディが連れてきた【ガネーシャ・ファミリア】の団員達がモンスターの死骸を回収していった。シャクティはその異様な殺され方に疑問を持つとアーディが教えてくれた。

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