ハーメルン
ベル・クラネルの治癒魔法の使い方は間違っているだろうか?
花を千切るのは間違っているだろうか?


「そ、それにハシャーナさんが怖かったら僕の所属していた救命団はオラリオに近づいただけで憲兵が出動しちゃいますって」
「だからどんな救命団なのさ……」

 アーディが呆れる。ベルの脳裏では幼いベルがガチ泣きした強面集団の顔が思い浮かぶ。

「僕はあの人達に人は顔で判断できないってことを教わったんです。だから、ハシャーナさんも怖くありませんよ」
「はっはっは! いいな坊主、気に入った! まだ18階層には行ってねえんだろ? 俺があそこ案内してやるよ、坊主はカモにされちまいそうだしな!」
「え〜! 私がベル君を案内しようと思ってるのに、横取りだよ!」
「………結局ハシャーナが強面であることを否定はしないんだな」

 と、シャクティは呟いたが生憎と誰にも聞かれなかった。

「18階層になにかあるんですか?」
「リヴィラの街だ。ダンジョン内に存在する街………救命活動を方針とするお前にはいずれ必要になるであろう場所だな」

 ダンジョンの中に、街? とベルは困惑する。なんでも、唯一モンスターが生まれない階層なのだとか。とはいえ下や上の階層から18階層に存在する緑の楽園を求めてやってきたモンスターは居るらしいが。

「休憩地点ってことですね。覚えとこ」
「おう、酒場もまた地上とは違った雰囲気でな」
「ただ、地上より物価が桁違いに高い。足元に見られないよう気をつけろ」

 シャクティの忠告にはい、と答えるベル。妹に似て素直な性格に思わず笑みが浮かぶ。





「おお、力と耐久のアビリティが50ぐらい上がってるぜベル君!」
「本当ですか!?」
「勿論だとも。ベル君が戦ったっていう新種が硬かったおかげだね」

 あのモンスター、生息階層はどこなんだろう? 皮膚がドロップしたら砂を詰めてサンドバッグに出来ないだろうか?

「推定下層級なんだって? ベル君がアビリティあげるにはそこまで潜らなきゃならなそうだ」
「でも、地上に運んでオラリオの地下に隠されていたのがあれだけとは限らないらしいですよ」
「探すのかい?」
「う〜ん。シャクティさん達には探す過程で壁を破壊されてはかなわん、って………これまでの水路図と現在のを比べて探して見るそうです」

 それでも全てを見つけられるとは限らないから、祭りの当日は街の見回りを増やすらしい。

「ふ〜ん。ベル君に見つかりさえしなければ、不意を襲えたかもだけど、その黒幕もついてないね!」

 あはは、と笑うヘスティアだが内心ちょっと慌てていた。
 ベルのスキルもあるだろうが、これだけ上がるということはそれだけ力と耐久に受けた影響があるということ。
 中層域のモンスターならワンパンらしいが、今後拳一つでは対処できないモンスターが増えてきたら……。

「よし、以前言ってたナイフの心当たり、たずねてみるよ!」
「本当ですか!?」
「もちろん! というわけで、暫く留守にするから戸締まりはしっかりするんだよ?」
「はい!」

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