ハーメルン
ベル・クラネルの治癒魔法の使い方は間違っているだろうか?
派閥を決めるのは間違っているだろうか?
飛び込んできた小柄な女神。
はあはあと肩で息をしていた女神は息を整えビシッとポーズを取る。
「そこの君! もしや【ファミリア】をお探しかい?」
右掌を上に向け親指と人差指を立てベルを指差す。
「はい。それで、ちょうどアミッドさんが【ファミリア】に誘ってくれて!」
「んぐ! んん……ま、まあそこまで慌てて決めなくても良いんじゃないかい? 【ファミリア】は沢山あるんだぜ?」
「いえ、その……知ってると思いますけどあっちこっちで断られちゃって。あ、でもゴブニュ様っていう神様は応援してくれました!」
「……知ってる?」
「はい。えっと、ずっと僕をつけていた人……あ、神様ですよね?」
「…………」
スッと移動しベルの前に立つアミッド。その目には明らかな警戒心が浮かんでいる。
「気づかれてた!? いやいや待って待って、違うんだ! ボクは可愛い男の子がいるな〜ぐへへへ〜とか考える神様じゃないやい!」
「神々はいつもそういうのです」
「
人類
(
こどもたち
)
からの信頼!? いやいや信じて! 本当なんだって!」
「では何故、ベルさんをつけていたのですか?」
「その、ね………実はボク、地上に降りてきたはいいけどまだ誰も眷属に出来てなくて……」
と、気まずそうに言う女神。ようするに、眷属になってくれそうな
人類
(
こども
)
を探している途中、断られ続けているベルを見つけ、彼ならと勧誘するタイミグを測っていたらアミッドが現れ、慌てて出てきたということだろう。
「おっと、申し遅れたね。ボクはヘスティア! よろしくね!」
「はい。ではヘスティア様、【ファミリア】を立ち上げた後の方針は?」
「っ! えっと………ダ、ダンジョンに潜って……その、お金を………」
「………………」
「紙くずを見る目!?」
アミッドの視線に耐えられなかったのか後ずさる女神ヘスティア。計画性がないのだから仕方ない。
「………通常、
探索
(
ダンジョン
)
系ファミリアは都市外で人員や資産をためるものです。いきなりベルさん一人ダンジョンに送って、死なせる気ですか?」
「そ、そんなことないよ! 彼、ロキのとこの
眷属
(
こども
)
殴り飛ばしてたしすっごく強いと思ったから!」
「……………ベルさん?」
と、アミッドがベルに振り返る。
「えっと……その、何処のファミリアに行っても馬鹿にされて、苛立ちがたまってつい」
「まあ新入りとか聞こえたし、弱いと思ってる相手に槍向けるような奴だからね。全くロキのところの
眷属
(
こども
)
は躾がなってない!」
「だとしても、手を出すのはやりすぎです。下手したら都市最強派閥から狙われるかもしれないんですよ? はあ………【ロキ・ファミリア】には私が話を通しておきます。槍を向けられたのが事実なら、ロキ様なら話を聞いてくれるでしょう」
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