回る回る、運命は回る
さてさて、忘れちゃいけないのはホグワーツは学校ということ。そして、学生の本分は勉強でしょ。なんというか、原作のスネイプ君って頑張り屋だよね。だって、ホグワーツにいきなりペイって教職として入れられたような感じなのに、それに相応しいぐらい優秀な魔法使いだったじゃん。
はっきり言おう。僕には無理だ。
机の上には大量の宿題の山。変身術、魔法生物学、魔法史、魔法薬学、古代ルーン語、数占い、呪文学、薬草学……古代ルーン語ってなにさ!
僕は勉強に努力出来ない質なんだよ。アウトドア派って分かるでしょ!分かんないか、そうだよな!
「なにこの翻訳量。僕に死ねって言いたいの?殺す気でしょ、コレ。いっそ殺せ」
ブツブツと暗いことを薄暗い部屋で呟く僕。多分、いま若干目がイッている。五年生になるとフクロウ試験を年度末に受けるために授業の難易度は上がり、宿題の量は膨大になる。
正直自由の中でしか生きることが出来ない僕は酸素不足な水槽の魚状態。水槽から跳び跳ねて外に出て干からびても知らないよ!
「とりあえず、これとこれはシリウスとジェームズ……ルーン語……ルーン語……クィリナスはマグル学終わったかな…」
持つべきものは優秀な友達だよね。
いや、だってさぁ。苦手な内容を自分一人でやるなんて効率悪いし時間もったいない。人間にとって「時間」は限られたもので浪費される一方なんだよ。僕はできるだけのんびりすることに使いたいんだもの。穏やかな人生愛してる。
「そういうわけで、変身術の宿題教えるか見せて」
「お前、基本『そういうわけで』の中身を言わねーよな」
「僕さえ理解していたら問題ないからね」
面と向って呆れるシリウスに僕はいつものように返す。彼ははぁーとため息をつきながら大人ぶった雰囲気で僕を見る。中身はただの男子高校生なのにね。いろんな意味で。
「羊皮紙とかすっげー綺麗だな、オイ。少しは自分でもやろうとしろよ」
「えー、意味ないことしたくないじゃん。若さってものは大事なんだよ。自分が本当にやりたいことに時間を使うのが当たり前だし、やりたくないことのために時間割かれるなんてまっぴらごめんだ。な、ジェームズ」
「全面同意だね」
「ほらこう言ってる」
「気持ちはわかるが納得させるな、納得するな!」
「リーマス~シリウスが勉強手伝ってくれないんだけど」
「それは監督生として見過ごせない問題だよ。罰則でも言い渡したら?」
「まさかのリーマスからの職権乱用教唆だ」
思わぬびっくり発言に僕はいたく感心したのだった。
空き教室を自分たちの城にして僕らは好き勝手に過ごす。部屋の中には椅子や机の他にあちこちから拝借してきたいろいろなものがそろっていた。第一ジェームズは簡易なベッドに寝転がっているし、ピーターは大きなクッションに埋もれている。明らかに誰かあの有名な「必要の部屋」に行きついたな。
「ったく。お前も一緒にアニメ―ガスになればよかったんじゃねえか?少なくとも今の変身術の授業ぐらい余裕になるぞ」
「やだよ。第一僕が何に化けるんだよ」
「「「「蛇」」」」
なぜか全員で言ってきやがった。
「あのさ、それ呼び名考えるときも言ってきたよね。一発ずつ殴っていい?」
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