ファースト・エンカウント part3
ピーターの手当てを直した後、私達は2限目の授業から受けた。
フラッシュは……私の方をチラチラと見て話しかけたそうにしていた。
だが、まるで猛犬のように威嚇するグウェンに阻まれ、結局話す事はなかった。
授業が終わって放課後。
ピーターがネッドと合流して、ネッドがピーターの傷に驚いて、グウェンが先に帰って。
「じゃあさ、今日の映画は中止する?」
そう、ネッドが言った。
「いや?別に傷があるだけで、映画を見るのに支障はないと思うけど」
ピーターが言った。
そんな二人を私は側で見ていた。
「……あの、ミシェル?」
「なに?」
「何で僕の後を追いかけてるの?グウェンに付いて行かなくて良かったの?」
ピーターがそう言うのも無理はない。
今日一日、ピーターの側にべっとりくっ付いてるからだ。
「……ダメだった?」
「いや、ダメじゃないけど……何か用事でもあるの?」
「ないけど」
昨日、ピーターをボロボロにしてしまった罪悪感から、私はピーターの助けになりたい……という、欲求に駆られているのだ。
だが、困った事にピーターは傷塗れのボロボロでも、何でもかんでも一人でやってしまうし……。
そうして、気付いたら放課後になっていたのだ。
「ネッド」
「ん?何?」
「私も、映画見たい」
このままピーターのストーカーとして生きていく……。
あまりにも緩い決意と共に、私は彼らの遊びに同行の意思を示した。
「え?でも、見る映画ってヒーロー映画だよ?」
「大丈夫、私もヒーロー映画、好きだから」
と言うか、ヒーロー自体が好きなんだけど。
スパイダーマンとか、アイアンマンとか、スパイダーマンとか、キャプテンアメリカとか、スパイダーマンとか、スパイダーマンとか、スパイダーマンとか。
……あぁ、いや、彼等はこの世界で実在するから創作のヒーロー映画が好きってよりも、有名人のおっかけみたいな扱いになるのか?私は。
私のヒーロー好き発言を聞いたネッドは大袈裟に驚いた。
「そうなの!?」
「そうだけど……何で驚いてるの?」
「いや、てっきり……何というか……こう、読書が趣味っぽいと言うか……ピーターもそう思うよな?」
「ネッド、それはミシェルに対する偏見……でも、実際に読書は好きなんだよね?ミシェル」
「好き。歴史書も、文学も、コミックも」
「「コミックとか読むの?」」
む。
何故か二人とも驚いている。
「じゃあ……スーパーマンとか?」
「バットマンが好き。お気に入りの作品はウォッチメン」
「えぇ……?」
あぁ、この世界にMARVELのコミックはないが、DCコミックは存在している。
私はMARVELが好きだけど……DCも好きだ。
一番好きなヒーローはスパイダーマンだけど。
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