ハーメルン
【本編完結】レッドキャップ:ヴィランにTS転生した話
#15 インサニティ・アイズ part3



『シャッ!シャアッ!シャアアッ!!』


右ストレート、左フック、足払い。

全てを避けてカウンター気味に拳を、足を叩き込む。

元からタフだと思ってたけど、全然効いてないじゃないか!


『ちょこ、マ、カ、とォ!』


怒り狂ったリザードが右手を大きく振り上げる。


「わあっ!?」


体長2mもある巨体が、僕と短くつながっている紐を持ち上げればどうなる?

答えは簡単だ。

右腕を吊られ、僕は足が地面から離れてしまった。


『サンド、バッグにシテやるッ!』


左手の拳が握り込められて……。


突如、白い凍気がリザードの背中に降りかかった。


『ギャアッ!?』

「くらえっ、トカゲ男め!」


そう言って、そこに立っていたのは。

ジョージさん!?

右手に持っているホースから、白い冷たい空気が出ている。
背後にあるボンベは……液体窒素か!


僕はリザードが怯んだ隙に(ウェブ)を断ち切り、ジョージさんの方へ向かう。


「ジョ……」


あぁ、ダメだ。
スパイダーは彼の名前を知らない。


「警官さん、それは……」

「あぁ?スパイダーマン、こいつは液体窒素だ」


いや、そりゃ見れば分かるよ!
だってボンベに「液体窒素」って書いてあるじゃないか!

僕が聞きたいのは、


「何故、こんな危ない事を……」

「街を守るのは警察官の仕事だろうが、危ないも糞もねぇよ!」


液体窒素を掛けられて身動きが鈍っていたリザードが、鋭い目つきでコチラを睨んだ。


「話は後だ!こいつで俺が弱らせるから、お前が拘束しろ!」

「分かりました!ジ、警官さん!」


僕はジョージさんを守るように飛び出して、リザードの左腕に巻き付ける。


『馬鹿メ!同じ過チを繰り返ス、なド!』


そう言ってリザードが(ウェブ)を引っ張ろうとした瞬間、僕はリザードの大きく空いた股ぐらに目がけて滑り込んだ。
そのまま背後を取りつつ、(ウェブ)を切って、リザードの右足へ巻きつけた。


『う、ォオ!?』


そのままバランスを崩して、リザードが転倒する。



「今です!警官さん!」

「おっし、任せとけ!」


ジョージさんが液体窒素をリザードへと吹き掛ける。


『ギャ、グ、ウォ』


そうだ。
リザードは爬虫類の体だから温度の変化に弱いんだ!

そのまま左半身が凍結して……。


[9]前 [1]次 最初 最後 [5]目次 [3]栞
現在:2/3

[6]トップ/[8]マイページ
小説検索/ランキング
利用規約/FAQ/運営情報
取扱説明書/プライバシーポリシー
※下部メニューはPC版へのリンク
携帯アクセス解析