ハーメルン
【本編完結】レッドキャップ:ヴィランにTS転生した話
#32 バース・オブ・ブラック part5
……うーん、何つーかコミュニケーション能力に難があるよな。
寡黙と言えばカッケーが、陰気くせぇと言えばダサい。
……ダサイと言えば、目の前に意味わかんねーサイ男がいるが。
……そうして5人の自己紹介が終わり、残るはあの普通のオッサンだけになった。
オッサンは周りをチラチラと見て、「あ、俺か」って顔で立ち上がった。
「あー……俺はエディ、『エディ・ブロック』。ただの新聞記者だ。別にスパイダーマンに何か恨みがある訳じゃないけど、『相棒』がどうしても殺したいって騒ぐから……そんな感じだ。えーっと、よろしく?」
オッサン……エディが席に座る。
……何なんだ、アイツ。
訳分からねぇ。
でも、こん中で一番格下だってのは分かった。
後で舐められねぇ様に、ちょっと脅して──
『ハーマン』
横から、レッドキャップに小さな声で話しかけられた。
「お、おう。何だ?」
目の前に赤いマスクが見えるモンだから、ビビりそうになったじゃねぇか。
だが今、レッドキャップが話しかけてくるって事は結構重要なコトかと思い、耳を傾ける。
『あの男に近付くのは止めておけ。頭を齧り取られるぞ』
「……は?」
俺は小声で困惑した様な声を出しつつ、普通の新聞記者のオッサン……エディを見た。
は?アイツが噛み付いて来るのか?
つか、齧り『取られる』って、そんな口がデカいのか?
そういうスーパーパワーを持ってるミュータントなのか?
だが、疑う気持ちは少し有っても、レッドキャップの言う事だ。
コイツは、しょーもない嘘を吐かない。
慌てて俺は頷いて、それを見た赤いマスクが納得した様に俺から離れた。
そして、またミステリオが声をあげた。
『これで全員の自己紹介は終わりましたね。このメンバーで協力し、必ずあの蜘蛛男を倒しましょう』
ミステリオの発言に全員が頷く。
……レッドキャップとエディだけ頷いてねぇな。
協調性無さすぎだろ、コイツら。
『では、我々のチーム名……私が付けさせて頂きますね。そうですねぇ……6人ですので──
ミステリオが胸の前で手を叩いた。
『『
不吉な6人
(
シニスター・シックス
)
』と言うのは、どうでしょう?』
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