第13話 働けど働けど我が暮らし……
「言ってしまえば、詠唱を破棄しても完全詠唱に近い威力を発揮する方法とか、何か道具を使って簡単に鬼道を発動できるようにする方法とかです」
求めるのは、流魂街時代から追い求めていた簡単で強力な鬼道を操る方法です。目指せ、無詠唱! とばかりに試行錯誤をしていますが、未だ進展は無し。
今のところ、虚閃を無言で放つくらいしか手はないのですが、霊術院の関係者ならひょっとしたら――
「すまない、そういうのは知らないんだ」
――ひょっとしませんでした。
「うーん……じゃあ、そういうことを試したけれど、駄目だった。失敗した。みたいな記録だけでも残ってたりしませんか?」
「そういう本も聞いたことはないねぇ……まあ、私もここの本の全てを読んだわけじゃないから、どこかにあるかもしれないけれど」
駄目ですか……失敗の記録だとしても、試行錯誤の回数を減らせたり自分では思いつかなかった別の観点や手段に気付けるかもしれないから、欲しかったのですけれど。
「ここになくても、真央図書館ならあるかも――」
「――真央図書館!? どこですかそれ!?!?」
「ち、中央一番区にあるよ」
詳しく話を聞いたところ、瀞霊廷にある中でも最も大きな図書館とのこと。
なるほど、そこになら情報があるかもしれませんね。
「今度時間がある時に連れて行ってあげるけれど、今はお仕事優先でね」
「そうですね」
忘れるところでしたが今はバイト中の身です。
ですが本の整理がてら面白そうな本があったり、参考になりそうな本を見つけたときにはその場所を覚えておき、後日その本たちを読むのが密かな日課でもあります。
肝心の鬼道の簡略化については……気長に行きましょうか。
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